マンションの大規模修繕が必要な理由|進め方や注意点まで

マンションの修繕工事は、建物の安全性や資産価値を保つために行われます。しかし、目に見える劣化が少ない状態であっても、定期的な大規模修繕がなぜ必要となるのか、疑問に感じている人は多いでしょう。

そこで当記事では、マンションの大規模修繕が必要な理由と行う時期、進め方について解説します。さらに、マンションの大規模修繕を行うときの注意点についても解説するため、工事について不安や疑問を抱えている人は、ぜひ参考にしてください。

1.マンションの大規模修繕はどれぐらいの周期で必要?

マンションの大規模修繕は、12年周期で行われることが一般的です。その理由は、建築基準法第12条で定められている「全面打診調査」の存在が関係しています。

全面打診調査とは、外壁タイル貼りやモルタル仕上げのマンションに課せられている調査義務です。直近に行われた外壁改修工事や全面打診調査から10年を超えている場合は、3年以内に調査を実施する必要があります。

外壁の全面打診調査をしっかり行うためには、足場を組むことが必要です。しかし、調査のためだけに足場を仮設することは、費用面で現実的ではありません。そのような理由から、調査が必要となる13年目より前である12年目の段階で、足場を使う大規模修繕を行うことが一般的です。

また、屋根や外壁などの補修・交換が必要となる目安も、12年周期と関係しています。マンションにおける各設備工事の目安年数は、以下の通りです。

設備 工事内容 補修・交換の目安
屋根 塗装・補修 11~15年
防水処理 21~25年
葺き替え 21~35年
外壁 塗装 11~18年
タイル補修 12~18年
共有部 鉄部塗装 4~10年
塗装・防水処理 11~18年
給排水管の交換 30年

多くの設備は、12年・24年・36年に近い年数で、補修・交換が必要です。各設備工事を別々に進めるよりも、12年ごとの計画的な修繕を行えば、費用や手間を大きく節約できます。

1-1.大規模修繕の大まかな費用

マンションの大規模修繕にかかる費用は、大まかな相場として1戸あたり100万円程度とされています。例えば、戸数が50戸であるマンションの場合は、大規模修繕費用としては、5,000万円程度を見積もることが必要です。

また、1回目の大規模修繕でかかった費用よりも、2回目は高額となりやすいことに注意してください。マンションは築年数を重ねるごとに修繕箇所が増えるため、大規模修繕も回数を重ねるごとに費用が高くなります。

2.マンションの大規模修繕を定期的に行うべき理由

大規模修繕を行う第一の理由は、マンションの美観と設備機能を回復させるためです。大規模修繕を定期的に行わない場合、マンションの各設備は劣化したままの状態となります。設備に10年以上の経年劣化を抱えたまま使い続けた場合、以下の問題が発生する恐れがあります。

  • 外壁塗装面の剥がれ・ひび割れによる性能低下
  • 屋上防水機能の劣化による雨漏り
  • 共用部分に発生する大規模なカビ
  • 鉄部の錆・腐食による設備の安全性低下

上記の劣化症状は、定期的に大規模修繕を行っていれば、劣化状況に応じた軽微なメンテナンスで済んでいた可能性があります。しかし、点検・修繕を見送ったことによって著しく劣化した設備は、全面的な改修や一括交換を行わなくてはなりません。

一般的に、マンション全体の設備・構造で全面改修・一括交換を行うためには、定期的な大規模修繕を大きく上回る費用が発生します。1回あたりの修繕コストを抑えるためには、マンションの大規模修繕を定期的に行うべきです。

また、設備の劣化したマンションは、住宅としての資産価値が低くなります。魅力が薄いマンションは入居者の減少を招く可能性があります。結果として、修繕費の積み立てが難しくなり、次回の大規模修繕を行うことが困難となります。安定的な修繕積立金確保のために、大規模修繕は定期的に行うことが必要です。

3.マンションの大規模修繕の進め方

マンションで大規模修繕を行うときは、しっかりと準備して行う必要があります。大規模修繕は、全てのマンション住民に影響を与えるため、無計画には行えません。

まずは、大規模修繕の進め方を知って、必要となる作業や注意点を把握しましょう。マンションにおける大規模修繕の進め方について、5つのステップに分けて紹介します。

進め方① 修繕委員会を結成する

最初に、マンションの大規模修繕をリードする「修繕委員会」を結成します。修繕委員会とは、マンション住人で構成された、大規模修繕の計画進行に特化した組織です。

ただし、大規模修繕の事項についての決定権は管理組合の理事会や総会が有しており、修繕委員会に最終決定の権限はありません。修繕委員会の位置づけは、理事会の下部組織であり、以下の活動などを行います。

  • 大規模修繕の情報収集
  • 建物劣化診断の実施
  • 修繕ポイントの割り出し
  • 基本計画の立案
  • 業者の候補選出や窓口対応
  • 住民の要望やクレームへの対応

進め方② コンサル会社を選ぶ

修繕委員会を結成しても、大規模修繕について詳しい人がメンバーにいるとは限りません。
修繕委員会だけでは大規模修繕をリードすることが難しい場合、コンサル会社を選定します。

コンサル会社を通すメリットは、専門家であるコンサルタントが大規模修繕に関わる点です。コンサルタント料金がかかるデメリットはあるものの、大規模修繕計画の流れにプロの目線が入る安心感があります。コンサル会社が行ってくれるコンサルティング業務は、主に以下の事柄です。

  • 修繕計画のアドバイス
  • 施工会社の選定
  • 見積書の査定
  • 修繕工事のチェック

進め方③ 施工会社を選ぶ

大規模修繕の大まかな計画や予算を組み立てた後は、施工会社の選定を行います。業界誌や新聞などで公募を行い、施工会社から見積もりを取って、計画・予算に沿った業者を選定しましょう。

施工会社の選定は、公正な判断が求められるため、事前に選定基準を設けてください。コンサル会社にサポートしてもらっている場合は、工事の見積書や施工実績をもとに、選定のアドバイスを得られます。

進め方④ 説明会を実施する

施工会社とともに作った具体的な修繕計画を、マンション住民に向けて説明します。説明会で伝える主な内容は、以下の通りです。

  • 発注先の施工会社
  • 工事内容
  • 工法や工程
  • 工事費用
  • スケジュール
  • 工事実施期間中の注意点

説明会は、住民側の意見や疑問を聞いて、話し合う場です。工事期間中にベランダやエレベーターなどが使用できないことを伝えて、住民に理解を求めましょう。

進め方⑤ 工事の準備をする

実際の工事が始まる前には、工事を行うための事前準備が行われます。作業を円滑に進めるためには、以下に挙げる共通仮設物の設置が必要です。

  • 現場事務所
  • 資材倉庫
  • 作業員休憩所
  • 仮設トイレ
  • 足場設置
  • 養生用のメッシュシート
  • 掲示板

実際に以上の共通仮設物を設置する作業は、工事を受注した施工会社が行います。工事を任せるマンション側は工事を受注した会社と相談の上、準備に協力しましょう。

4.マンションの大規模修繕を行うときの注意点

マンションの大規模修繕は動く費用が大きく、工事期間も一般的に3ヶ月以上かかるため、さまざまなトラブルの発生する可能性があります。トラブルに見舞われることなく大規模修繕を行うために、ここで紹介する注意点を確認しましょう。

  • 知人からの紹介で施工会社を選ばない
    施工会社を選定するとき、知人から施工会社を紹介されることがあります。しかし、紹介された施工会社が問題を起こした場合、知人が責任を感じたり、関係に亀裂が入ったりする可能性があるため、おすすめできません。
    同様に、マンション内の掲示板で施工会社を募集することも、マンション住民からの紹介が多くなるため避けましょう。
  • 価格の安さだけで判断しない
    大規模修繕は住民たちの修繕積立金から予算が組まれるため、施工費用が安い会社を選びたくなるものです。 しかし、明確な理由もなく費用が安い施工会社は、どこかで手抜き工事を行っている可能性があります。施工会社を選ぶ基準は、費用の安さだけではなく、確かな技術を持っていることが重要です。見積もりを比較したときに、他社と比べて費用が著しく安い施工会社は、なぜ安い金額で工事が行えるのか尋ねましょう。
  • 工事中に発生する問題を想定する
    大規模修繕の工事中は、工事に伴う騒音や塗料の臭いが発生するため、マンション住民や近隣住民からのクレームが起こり得ます。また、外壁に足場が組まれることにより、周辺通路の安全対策や空き巣への防犯対策が欠かせません。
    大規模修繕をスムーズに行うためには、工事中に発生する諸問題について事前に想定しておき、クレームやトラブルへの対応策を講じておく必要があります。

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まとめ

マンションの大規模修繕は、一般的に12年周期で行われます。定期的な大規模修繕は、マンションの設備劣化を抑えて、資産価値を保つために必要な処置です。定期的な大規模修繕を怠ると設備劣化が著しく進み、マンションの資産価値低下を招く恐れがあります。

マンションの大規模修繕は、高額な費用がかかる大きな計画です。大規模修繕で失敗しないために、施工会社は施工実績が豊富で確かな技術を持っているところを選びましょう。

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