40坪の外壁塗装の相場を紹介|価格に幅が生じる理由まで
外壁塗装の相場は、同じ40坪でも家の形や劣化具合によって異なります。そのため、依頼した後に「後から追加費用が発生した」「何のための費用か分からない項目がある」という事態を避けるためにも、適正な相場価格を知らなければなりません。
そこで今回は、30坪・35坪・40坪の家の外壁塗装相場の費用内訳と、正しい相場で外壁塗装するための3つのポイントについて紹介します。外壁塗装を検討している方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
1.外壁塗装の相場を項目別・坪別に紹介
外壁塗装の相場は、「建物の坪数」と「塗料の種類」によって変わります。しかし、含まれている費用は塗料費だけではありません。外壁塗装をするために必要な足場代や外壁補修に必要な工事費用も含まれています。
ここでは、項目別工事費の相場と坪数別に30坪・35坪・40坪の家にかかる外壁塗装相場について紹介します。
1-1.外壁塗装の項目別相場
外壁塗装工事ではさまざまな施工が行われるため、項目別に費用の内訳を知っておくことが大切です。人件費とは別に工事価格の相場が分かれば、複数の業者に見積もりを依頼した際に比較しやすくなります。
相場をチェックしておくべき項目は、以下の5つです。
①足場設置
足場設置費は、外壁塗装の見積もりに必ず含まれています。足場は作業員の安全を確保するために必要です。また、安定した足場で作業することで塗装も綺麗に仕上がります。
相場は、1平方メートルあたり600~800円です。
②養生
養生とは、外壁塗装の際に窓など施工箇所以外の場所に塗料が付いたり破損したりするのを防ぐために行う項目のことです。
相場は、1平方メートルあたり300~500円です。
③高圧洗浄
汚れたまま塗装すると、塗料がうまく付かずはがれやすくなるため、塗装前に必ず外壁の汚れを落とす必要があります。
相場は、1平方メートルあたり200~300円です。
④付帯部分
付帯(ふたい)とは、外壁や屋根についているパーツのことです。外壁だけが綺麗になっても、付帯部が古い状態だと見栄えが悪く目立ってしまいます。
また、付帯部分が劣化していると雨漏りの原因になるため、外壁と一緒に塗装することが一般的です。塗装によって防水性を高めることができるため、付帯費用が工事金額に含まれているかどうかを確認しておきましょう。
付帯部位:軒天(のきてん) | |
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単価 | 900~1,600円/平方メートル |
概要 | 外壁から外側に突き出ている屋根の裏側。軒裏天井とも呼ばれる。 |
付帯部位:破風板(はふいた) | |
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単価 | 800~1,400円/平方メートル |
概要 | 屋根と外壁の間にある板。 |
付帯部位:鼻隠し | |
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単価 | 650~800円/平方メートル |
概要 | 屋根の軒先に取り付けられている板材。 |
付帯部位:シャッターBOX | |
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単価 | 2,000~3,500円/個 |
概要 | 窓のシャッターを収納する部分。 |
⑤シーリング(コーキング)工事
シーリング工事とは、外壁と外壁のつなぎ目(目地)や隙間を埋める工事です。シーリング材の寿命は3~5年といわれています。経年劣化でひび割れやはがれが起き、放置すると雨漏りの原因になるため、外壁塗装と一緒に修復することが一般的です。
シーリング工事には、シーリングをすべてはがして新しいものに交換する「打ち替え」と、上からシーリングを足して部分補修する「増し打ち」の2通りがあります。
項目:シーリング打ち替え | |
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単価 | 800~1,200円/メートル |
メリット・ デメリット |
費用はかかるが、新しいものに交換するため寿命が長い。 |
項目:シーリング増し打ち | |
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単価 | 700~1,000円/メートル |
メリット・ デメリット |
打ち替えより安いが、耐年数は2~5年程度と短い。劣化しすぎている場合は増し打ちできない。 |
打ち替えよりも、増し打ちのほうが費用を抑えることができます。しかし、費用だけを見るのではなく、それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで適した方法を選び、工事を行うことがおすすめです。
1-2.30坪・35坪・40坪の家で外壁塗装をするときの相場
以下は、外壁塗装に使用される塗料の種類と、それぞれの耐用年数を表にまとめたものです。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル系塗料 | 4~7年 |
ウレタン系塗料 | 6~10年 |
シリコン系塗料 | 10~15年 |
フッ素系塗料 | 15~20年 |
現在の主流は、耐久性が10~15年と高い「シリコン塗料」です。汚れが付きにくくコストパフォーマンスに優れています。
フッ素塗料の耐用年数は最大20年と極めて高く、劣化に強いです。ただし、高価格というデメリットもあるため、工事と同様で塗料のメリット・デメリットも把握したうえで、使用する塗料を選ぶことが大切です。
以下の表は、坪数別で「シリコン塗料」と「フッ素塗料」を使用した場合の外壁塗装相場を比較したものです。
〇30坪の家の相場 | ||
---|---|---|
外壁面積:150平方メートル、屋根面積82平方メートル | ||
項目 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
外壁塗装 | 300,000円 | 570,000円 |
足場設置 | 150,000円 | 150,000円 |
養生 | 35,000円 | 35,000円 |
高圧洗浄 (外壁) |
15,000円 | 15,000円 |
付帯塗装 | 100,000円 | 100,000円 |
シーリング工事 | 25,000円 | 25,000円 |
合計価格 | 600,000円 | 870,000円 |
〇35坪の家の相場 | ||
---|---|---|
外壁面積:175平方メートル、屋根面積82平方メートル | ||
項目 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
外壁塗装 | 350,000円 | 665,000円 |
足場設置 | 160,000円 | 160,000円 |
養生 | 35,000円 | 35,000円 |
高圧洗浄 (外壁) |
17,500円 | 17,500円 |
付帯塗装 | 100,000円 | 100,000円 |
シーリング工事 | 30,000円 | 30,000円 |
合計価格 | 692,500円 | 1,007,500円 |
〇40坪の家の相場 | ||
---|---|---|
外壁面積:202平方メートル、屋根面積116平方メートル | ||
項目 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
外壁塗装 | 404,000円 | 767,600円 |
足場設置 | 170,000円 | 170,000円 |
養生 | 35,000円 | 35,000円 |
高圧洗浄 (外壁) |
20,200円 | 20,200円 |
付帯塗装 | 100,000円 | 100,000円 |
シーリング工事 | 35,000円 | 35,000円 |
合計価格 | 764,200円 | 1,127,800円 |
シリコン塗料を使うかフッ素塗料を使うかどうかで、約30万円もの差があります。必要な項目を節約するとメンテナンスに影響が出ることがあるため、費用を安く済ませたい場合は使用する塗料を検討してみましょう。
2.外壁塗装の相場に幅が生じる理由
前項で外壁塗装にかかる項目別の相場と、一般的な戸建て住宅である30坪・35坪・40坪の家の場合の相場を紹介しました。しかし、実際の費用と相場には、幅が生じることがあります。
外壁塗装の相場に幅が生じる理由は、以下の通りです。
◆下請け業者を使うかどうかで変わる
外壁塗装業者は、自社で塗装することがほとんどです。しかし、大手リフォーム会社は下請け業者に工事作業を依頼することが多く、仲介料が発生します。
下請け業者が入ると相場よりも費用が高くなるため、外壁塗装を依頼する際は自社で塗装を行っている外壁塗装業者を選ぶようにしましょう。
◆家の外壁の種類で変わる
外壁塗装とひとくちにいっても、外壁の種類はさまざまです。また、外壁の工事方法によって工事費用の項目も異なるため、相場に差ができます。
◆家の劣化具合で変わる
外壁の劣化や損傷が激しい場合、下地の補修や外壁の張り替えが必要となることがあります。外壁塗装とは別に修理費用がかかるため、予算をオーバーしてしまうことも少なくありません。
劣化が進んでいる状態で塗装しても、塗装は長持ちしません。亀裂から雨がしみ込み、雨漏りしたり腐敗が進んだりする可能性が高くなります。
外壁の塗装は外壁を劣化から守る働きもあるため、家の劣化具合が悪化する前に外壁を塗り替えることがおすすめです。塗装の耐用年数に合わせて定期的にメンテナンスしましょう。
3.正しい相場で外壁塗装をするためのポイントとは?
前項で紹介した相場は、あくまでも見積もりの例です。外壁の種類や家の劣化の状態によって費用は大きく異なるため、外壁塗装を行う際は、必ず自分の家に合った見積もりを出してもらいましょう。
ただし、中には相場以上の費用を請求してくる悪徳業者もあります。
外壁塗装の正しい見積りを出してもらうためにも、これから紹介する3つのポイントをおさえることが重要です。
3-1.見積書は坪数ではなく平方メートルで出すこと
見積書は、坪数ではなく必ず平方メートルで出してもらいましょう。なぜなら、坪数は床面積であり、外壁塗装する面積ではないためです。
例えば30坪でも、横幅と奥行が10メートルのA邸の場合、外周は40メートルです。しかし、横幅が20メートルで奥行が5メートルのB邸宅の場合は、外周が50メートルとなります。
また、箱型の家なのか、角がたくさんあるいる家なのかでも外周の長さは変わるため、坪数では外壁塗装の面積を測ることはできません。
「キャンペーン特別価格」「1坪あたり○○万円」などの広告を見てお得に感じたとしても、実際は塗料が足りずに追加で塗料代を請求される可能性があります。悪徳業者の中には、足りない分を補うために塗料を薄めて使うケースもあるため要注意です。
3-2.点検は60~90分以上かけてもらうこと
外壁塗装は見た目をよくするだけではなく、劣化部分を補修して家を長持ちさせる役割も担っています。劣化部分を見落として補修や必要な工事ができなければ、外壁塗装をする意味がありません。
細かい部分までチェックしてもらうためには、最低でも60~90分はかかります。点検時間が短い場合は、家の大きさや目につく部分の状態しかチェックしていない可能性があります。
後から修復が必要な部分が発覚すると、当初の予定より高い費用が発生するため、見積もりの段階でしっかりと点検してもらいましょう。
3-3.写真付きの報告をしてもらうこと
見積書を作ってもらう際は、点検報告書を一緒にもらいましょう。このとき、点検した箇所の写真も一緒に報告してもらいます。自分の目で、修復が必要な部分を確認し、見積書の金額と照らし合わせることができるためです。細かい場所でも修復が必要な部分は、写真を撮ってもらいましょう。
修復箇所が多いほど多くの写真が必要となります。しかし、手抜き工事をされたり、必要な部分のメンテナンスを見落としたりしないためにも、写真付きの報告書を作ってもらいましょう。
まとめ
家の外壁塗装をした場合の相場は、約60~75万円です。しかし、これはあくまでも目安であり、家の大きさ・状態・外壁の種類や使用する塗料によって費用は大きく変わります。
そのため、外壁塗装を行う際は、まずは塗装業者に見積書を作ってもらいましょう。このとき、時間をかけて点検してもらい、写真付きで報告書をもらうことが重要です。最初にすみずみまで点検してもらうことで、後から追加費用を請求されるのを防ぐことができます。
また、正確な見積書を作ってもらうためには、坪数ではなく平方メートルで作ってもらうことがポイントです。これらのポイントを踏まえて相場と工事内容を把握し、適正価格で塗装とメンテナンスをしてくれる優良業者を選びましょう。
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