アクリル塗料の基礎知識|メリット・デメリットから他塗料の比較まで

アクリル塗料は、新築住宅の外壁塗装工事を中心に、さまざまなシーンで使用されている塗料のひとつです。しかし、アクリル塗料の特徴をきちんと理解できている人は少ないのではないでしょうか。

当記事では、アクリル塗料の基礎知識をわかりやすく解説しています。アクリル塗料のメリット・デメリット、アクリル塗料と他の塗料の違いもまとめているため、外壁塗装工事に使用する塗料選びに迷っている人はぜひ参考にしてください。

1.アクリル塗料とは?

アクリル塗料とは、アクリル樹脂が主成分である塗料のことです。アクリル塗料が登場した1950年代当時、高発色で安価な塗料として人気を集めました。しかし、アクリルシリコン樹脂塗料やウレタン樹脂塗料などの普及に伴い、現在アクリル塗料はあまり使用されていません。

とはいえ、アクリル塗料にはリーズナブルで使いやすいという特徴があるため、塗り替えを前提とした新築の外壁塗装や軒下の塗装、DIYなど、さまざまなシーンでアクリル塗料が活用されています。

1-1.代表的なメーカーのアクリル塗料

さまざまな種類があるアクリル塗料の中でも、大手メーカーが製造するアクリル塗料は信頼性が高く、数多く使用されています。
エスケー化研・日本ペイント・関西ペイントにおける代表的なアクリル塗料は下記のとおりです。

●エスケー化研「水性コンポアクリル」
空気中の塵やほこりを寄せ付けないほど緻密な塗膜表面を形成するため、長年にわたって住宅の美観を保てます。また、カビや藻類といった微生物に強い抵抗性を示す特殊設計となっており、衛生的な環境を維持できることも特徴です。

●日本ペイント「オーデグロス」
外壁に塗布後、ツヤツヤとした光沢感が出る塗料です。優れた透湿性があり、防カビ・防藻効果が期待できます。さらに、塗料がすぐに乾燥するため、戸建て住宅や集合住宅、店舗、工場、オフィスなど、幅広い用途に使用できます。

●関西ペイント「アレスアクアグロス」
同社の同種商品と比べて、耐水性・耐久性・耐薬品性・耐酸性雨性に優れていることが特徴です。光沢のあるポテッとした厚み(肉持ち感)を出すことができ、住宅の外壁を美しく仕上げることができます。

1-2.高性能な新タイプのアクリル塗料

基本的にアクリル塗料は耐候性があまり高くありません。そうしたアクリル塗料の欠点を補う、新しいタイプのアクリル塗料が「ピュアアクリル塗料」です。

オーストラリアの塗料メーカーが開発したピュアアクリル塗料は、耐久性と透明度の高さが特徴です。従来のアクリル塗料よりも性能が優れていることから、水族館の水槽や飛行機の窓にもピュアアクリル塗料が使われています。ただし、一般住宅にピュアアクリル塗料を採用することは少なく、塗料の価格も比較的高くなることが現状です。

塗装業者の中には、見積もり時に新しいタイプのアクリル塗料を提案することもあります。
「アクリル塗料だからといってグレードが低いわけではない」ということを覚えておきましょう。

2.アクリル塗料のメリット

アクリル塗料のメリットは、以下が挙げられます。

●費用が安くこまめに塗り替えられる
アクリル塗料は販売価格が非常に安く、コストパフォーマンスが高いことが大きなメリットです。リーズナブルな価格で塗装工事を低コストに抑えられるため、気軽に外壁を塗り替えることができるでしょう。

●豊富なカラーバリエーションがある
アクリル塗料は歴史の長い塗料であることから、カラーバリエーションが豊富です。レッド系やグリーン系、ブルー系、イエロー系、ブラウン系、シルバー系、ゴールド系など、さまざまな色のアクリル塗料の中から、好みに合う色を選ぶことができます。

●ツヤのある鮮やかな色合いを楽しめる
アクリル塗料は高発色でツヤがあり、住宅の外観を鮮やかに彩ることができます。他の塗料と比べてはっきりとした色合いを楽しめることは、アクリル塗料を外壁塗装に使うメリットと言えるでしょう。

●DIY初心者でも扱いやすい
アクリル塗料の多くは1液型であり、他の塗料と混ぜる必要はないため、DIY初心者でも使いやすい塗料です。硬化不良が起こりにくく、塗膜が劣化していない場合は比較的簡単に重ね塗りできます。

アクリル塗料は安価で発色がよく、たくさんの種類から色を指定できることがメリットです。

3.アクリル塗料のデメリット

アクリル塗料にはメリットもありますが、いくつかデメリットも存在します。

●耐久性が低く劣化しやすい
アクリル塗料は紫外線に対する耐久性が低く、劣化の原因となるラジカルが発生しやすいことがデメリットです。酸化還元反応が起こりやすく、光沢感の喪失や変色、汚れなど、他の塗料と比べると塗膜の劣化が早い傾向があります。そのため、屋根塗装にアクリル塗料はあまり使われません。

●ひび割れが起きやすく美観を損なう
アクリル塗料には弾性を付与するために可塑剤が加えられていますが、可塑剤は紫外線を浴びることで徐々に抜けます。可塑剤が失われると塗膜の柔軟性もなくなり、塗膜が硬くなることで、外壁のひび割れ(クラック)が起きやすくなります。

●頻繁に塗り替える必要がある
アクリル塗料の耐用年数は5年前後であり、定期的に塗り替える必要があります。古い塗膜をきれいに取り除かなければ、新しく塗った塗膜がすぐに剥がれるため、劣化したアクリル塗料の塗り替えには下地処理に少々手間がかかります。

●浸透性が高く外部から湿気が浸入する
アクリル塗料は浸透性が高いため、外部の湿気が建物内部に入りやすくなります。室内の湿度が上がる可能性があることから、湿気の多い環境にある住宅の外壁にアクリル塗料は向いていません。

アクリル塗料はリーズナブルであるものの、頻繁に塗り替えを行うことで、余計にコストがかかるかもしれません。

外壁塗装にアクリル塗料を使おうと考えている人は、アクリル塗料のメリット・デメリットを理解しておきましょう。

4.【比較表】アクリル塗料と他の塗料の違い

では、アクリル塗料は他の塗料と比べると、どのような点に違いがあるのでしょうか。
下記は、各塗料の耐用年数と平均的な工事費用の相場を比較した表です。

アクリル塗料

耐用年数 約4~6年
1平方メートルあたりの
平均的な工事費用
1,000~2,000円

ウレタン塗料

耐用年数 約6~8年
1平方メートルあたりの
平均的な工事費用
1,800~2,500円

シリコン塗料

耐用年数 約9~11年
1平方メートルあたりの
平均的な工事費用
2,000~3,500円

フッ素塗料

耐用年数 約15~17年
1平方メートルあたりの
平均的な工事費用
3,500~5,000円

無機塗料

耐用年数 約17~19年
1平方メートルあたりの
平均的な工事費用
3,500~5,000円

光触媒塗料

耐用年数 約18~20年
1平方メートルあたりの
平均的な工事費用
3,500~5,000円

上記の表を見ると、平均的な工事費用が高くなるにつれて、耐用年数も長くなることがわかります。

外壁塗装に使用する塗料に迷っている際は、外壁の塗り替えに使える資金や耐用年数を考慮して選ぶとよいでしょう。

4-1.アクリル塗料がおすすめのケース

アクリル塗料は、他の塗料と比べると耐用年数が短くなる分、家の塗装工事費用も安価に済みます。しかし、アクリル塗料にはデメリットがある点にも注意しなければなりません。

アクリル塗料の特徴を踏まえると、下記に該当する場合はアクリル塗料がおすすめと言えるでしょう。

  • ・外壁塗装にかかる施工費を安く抑えたい
  • ・定期的に外壁をイメージチェンジしたい
  • ・近々住まいを建て替える予定がある
  • ・DIYで素人でも扱いやすい塗料がほしい
  • ・軒天の色を明るい雰囲気にしたい
  • ・机やテーブルなどの色を塗り替えたい
  • ・プラモデルやドールハウスなどに色を塗りたい

アクリル塗料は施工費用がリーズナブルだからといって、決して粗悪な塗料ではありません。アクリル塗料の特性や耐用年数、使用用途に注意すれば、しっかりと住まいを守ってくれます。
アクリル塗料の利点をうまく活用し、満足のできる外壁塗装工事・外壁塗装リフォームを目指しましょう。

まとめ

アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とする塗料であり、非常にリーズナブルな点が魅力です。大手メーカーをはじめ、さまざまな塗料メーカーが豊富なカラーバリエーションを展開しています。アクリル塗料は耐用年数が短く、こまめなメンテナンスが必要ですが、手軽に外壁の色をイメージチェンジできます。

自宅の外壁塗装工事にアクリル塗料を使うべきか迷っている人は、ぜひ当記事で紹介した内容を参考にしてください。
アクリル塗料の特徴を踏まえた上で、外壁塗装工事に最適な塗料を選びましょう。

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