サイディングの2色塗り分け塗装とは?単色ベタ塗りとは何が違う?

外壁の仕上げ素材の一つであるサイディングは耐水性・耐候性に優れ、デザインが豊富で施工費用が安いといった特徴から人気が高く、多くの戸建て住宅に利用されています。
サイディングの表面には防水や防錆などの役割を果たす被膜が塗装されていますが、塗装は紫外線や雨などによって劣化し、色があせたり塗装が剥げたりすることがあり、そのままの状態にしておくとサイディングの機能が低下し、構造部を傷める原因になりかねません。外壁の美観を維持するだけではなく、機能を維持し、住宅の寿命を伸ばすためには、サイディングの定期的な塗り替えなどのメンテナンスが重要です。

サイディングの塗り替えを行うとき、「どうせ塗り替えるなら、せっかくなので外観のイメージを変えてみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。シンプルに色を変えるだけでもイメージはがらりと変わりますが、2色塗分け塗装や多彩模様塗料などを使用するとさらに印象を変えることができます。

 

外壁塗り替えの種類

外壁を塗り替える場合、大きく分けて「単色塗り」「多色塗り」「クリヤー塗装」があります。

「単色塗り」は、1色の塗料でベタ塗りする方法です。最もシンプルで基本的な塗装で、外壁塗装を行っている業者であればどこででも施工してもらうことができます。施工時間もかからず比較的安価にすむため、手早く・手軽に外壁をメンテナンスしたいという方に適しています。

「多色塗り」は、複数色の塗料を使用する方法です。「多色」といっても使用する塗料は2色というのが一般的ですが、高いデザイン性を求めて3色を使う方もいます。

「クリヤー塗装」透明の塗料を塗る方法です。木目調サイディングなどサイディングそのものに模様やデザインがついている場合、色付きの塗料を塗るとデザインが損なわれてしまいます。透明な塗料を使うクリヤー塗装であれば、デザインを損なわず防水性・防サビ性といった機能を取り戻すことができます。 ただし、透明であるため、サイディングについた傷などを隠すことができないというデメリットがあります。

 

2色塗分け塗装とは

複数の色を使用して塗装する方法を「多色塗り」といいますが、2色の場合は「2色塗分け塗装」「2色塗り」などとも呼びます。
塗料を2色使用した塗装にはタイル調やレンガ調のサイディングについた凹凸に合わせて色を塗り分けるケースと、一階と二階・日が当たるほうと当たらないほうなどのように、エリアによって塗り分けるケースがありますが、「2色塗分け塗装」というと凹凸に合わせて色を塗り分けるケースをさします。

単色で全体を塗る「ベタ塗り」では全体がのっぺりとした印象になりますが、2色で塗分け塗装を行うとサイディングの意匠をより引き出すことが可能です。
例えば、レンガ調のサイディングの場合、レンガ色1色で全体を塗っていると離れた場所からは表面がフラットな状態に見えてしまいますが、凹み部分を白、凸の部分をレンガ色の2色で塗り分けると、離れた場所からでもレンガ調であることがわかります。


※左が一色塗りでレンガ調のサイディングを塗装した家、右がレンガ調のサイディングを二色で塗り分けた家

右のお家はもう既に下塗り中塗り上塗りが終わっており、レンガの凸部の塗装中の写真です。塗り終わったところからレンガが浮き出てきたように見えます。

 

2色塗り分け塗装のメリットとデメリット

【メリット】

2色塗分け塗装のメリットといえば、なんといってもデザイン性の高さです。レンガ調、タイル調、ストーンブロック調など、表面に凹凸があるデザインのサイディングに塗り分けを施すと意匠が活かされ、表面にメリハリ、奥行き、立体感、高級感を出すことができます。
サイディングの意匠を壊さず塗り替えを行うにはクリヤー塗料を塗る方法もありますが、クリヤー塗装はサイディングについた傷や劣化の度合いによっては適さないことがあります。2色塗分けであれば傷や劣化の度合いに関係なく施工可能です。

また、サイディングの凹凸で塗り分けるのではなく、一階部分と二階部分で塗り分けたり、壁の面によって塗り分けたりすることも可能です。家の外観デザインに変化を持たせるだけではなく、紫外線があまり当たらない場所には一般的な塗料、多く当たる部分には褪色しにくく紫外線に強い塗料を使うなど、塗る場所によって異なる機能性をもたせることもできます。

【デメリット】

1色でベタ塗りする場合、塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」ですが、凹凸によって2色塗り分ける場合は「上塗り」の上に2色目の塗料を塗る「仕上げ塗り」を行います。サイディングの意匠によっては塗装の回数が4回または5回と、1色塗りよりも回数が多くなります。
筆などを使って細部を手直ししなくてはならないこともあるため、単色塗りに比べると施工費用が高く、時間もかかるのがデメリットです。

また、仕上げ塗りや手直しにはある程度の技術力が必要とされます。技術力の低い業者に依頼すると、イメージしていたような仕上がりにならない可能性があるため、技術力の高い業者、2色塗り分け塗装の経験が豊富な業者を選ぶ必要があります。2色塗り分け塗装に対応していない業者もあるため、業者選びが難しいと感じるかもしれません。

さらに、2色塗り分け塗装は色選びが難しいというデメリットがあります。同色系の組み合わせてあればチグハグな印象になるのを避けることができますが、メリハリがつきにくく2色で塗り分けるメリットが減ってしまいます。 異なる系統の色を組み合わせるとメリハリが生まれて意匠を活かすことができますが、色によってはチグハグな印象になったり、落ち着かない感じになったりします。サンプルでは良いと感じた組み合わせでも、広い面積に塗るとイメージが大きく変わることがありますので、業者と相談しながら慎重に色を選ぶ必要があります。

多彩模様塗料とは

多彩模様塗料は色がついた粒やチップが混濁した塗料です。4色から5色程度のチップが含まれており、上塗りとして使用すると天然石のような風合いに仕上がります。

 

多彩模様塗料のメリットとデメリット

【メリット】

多色模様塗料は塗料そのものに表情があるため、一般的な塗料に比べると高級感・重厚感があります。1色をベタ塗りした時よりも立体感があり、サイディングの意匠性も高くなります。

また、使用する塗料が1種類でよいため、2色塗り分けのように色の組み合わせで失敗するリスクがありません。2色塗り分け塗装に比べると、塗料選びにかかる時間が短くなると言えるでしょう。

また、一般的な多彩模様塗料は耐久性が高く、外壁に負担をかけないシリコン樹脂を使用しているため、塗装が長持ちするだけではなく、壁を傷めて建物の寿命を縮める心配もありません。
多くの製品がトルエン、キシレン、鉛、クロムフリーなど環境に配慮されているため、安心して扱うことができます。

【デメリット】

多彩模様塗料は一般的な塗料とは異なり、表面接着剤(シーラー)を一度塗った後、バインダーと呼ばれるベースカラーを塗り、その上に多彩模様塗料を塗っていきます。1回塗っただけではいチップの偏りで色ムラが出てしまうため、2回塗って綺麗に仕上げます。1色ベタ塗りに比べると、塗る回数が多く手間もかかります。

また、一般の塗料とは工程が異なるため、施工できる業者が限られている、色ムラが出やすいため技術力による仕上がりの差が出やすいというデメリットもあります。多彩模様塗料の扱いに慣れていない業者が施工すると必要以上に厚塗りしてしまい、サイディングの意匠が損なわれてしまうばかりか、外壁に重みがかかって痛めてしまう可能性があります。多彩模様塗料の施工を依頼するときは、実績豊富な業者を選びましょう。

多彩模様塗料はサイディングのデザインを塗料の模様で覆うため、元のデザインを生かすことができないというのもデメリットと言えます。
施工前と施工後でイメージをガラッと変えたいという場合は適していますが、サイディングのデザインを残したいという場合は多彩模様塗料ではなく、クリヤー塗装を選ぶとよいでしょう。

多彩模様塗料は他の塗料に比べて価格が高いのもデメリットです。施工の手間もかかるため、単色ベタ塗りに比べると費用が高額になります。

 

まとめ

2色塗り分け塗装は色の組み合わせを選ぶのに時間がかかる、施工費用が高い、業者の技術力によって仕上がりの差が大きいといったデメリットがありますが、サイディングの意匠性や外観のデザイン性が高くなるといったメリットがあります。
また、サイディングを張り替えたような美しい状態に仕上がるため、全体がフラットに仕上がる単色ベタ塗りよりも高い満足感を得ることができます。
ただし、塗装の耐久性や性能は単色でも2色でも基本的には同じですので、デザイン性を求めず、費用だけを考える場合は、単色ベタ塗りの方がメリットが大きいといえます。
どのような仕上がりにしたいかをイメージして2色塗り分け塗装にするか、単色ベタ塗りにするかを選ぶとよいでしょう。