外壁のひび割れ、放置は危険?修繕のタイミングを専門家が解説

「家の壁にいつの間にか亀裂が入っている……」「まだ小さい傷だから、しばらく様子を見ても大丈夫かな?」ふと気づくと発生している、外壁のひび割れ(クラック)。見た目が少し悪くなる程度だと思い、ついつい放置してしまっていませんか?

実は、その「小さなひび割れ」が、大切なお住まいの寿命を縮める大きな原因になることがあります。

今回は、埼玉県を中心に地域密着で塗装工事を行うマルキペイントが、外壁のひび割れを放置するリスクと、プロが教える正しい修繕のタイミングについて解説します。

 

なぜひび割れは起きる?主な3つの原因

そもそも、なぜ硬い外壁にひびが入ってしまうのでしょうか。原因を知ることは、適切な対策への第一歩です。

① 経年劣化と乾燥収縮

最も多い原因は、塗膜や外壁材自体の劣化です。新築時や塗装直後は、塗料の膜(塗膜)が外壁を覆い、水分や紫外線から守ってくれています。しかし、年月が経つにつれてこの塗膜が劣化し、防水機能が低下します。すると、外壁材そのものが雨水を吸水し、晴天時に乾燥するという「膨張と収縮」を繰り返すようになります。

紫外線や雨風にさらされ続けることで、壁の防水性が失われ、材料が乾燥して収縮します。硬い外壁材はこの繰り返される動きに追従できなくなり、やがて耐えきれずにパキッと割れてしまうのです。これが経年劣化によるひび割れのメカニズムです。

② 地震や道路からの振動

日本は地震大国です。大きな地震だけでなく、近くを大型トラックが通る際の微細な振動の積み重ねも、建物に負担をかけます。特に、窓のサッシ周りや換気扇の開口部などは、構造的に力が集中しやすい場所です。

建物が揺れることで外壁に歪みが生じ、その力が逃げる場所としてひび割れが起こることがあります。一回の揺れは小さくても、何年も振動を受け続けることで「疲労」が蓄積し、ある日突然亀裂が入ることも珍しくありません。また、地盤の沈下などによって家全体がわずかに傾くことで、外壁に無理な力がかかり、大きなひび割れにつながるケースもあります。

③ 施工不良(初期不良)

通常、塗装を行えばおおむね10年前後持つとされていますが、立地条件や塗料の種類によって変動します。もし数年で目立つひび割れが発生した場合は注意が必要です。新築や前回の塗装から数年以内で大きなひび割れができた場合、乾燥不足や塗料の選定ミスなどの施工不良が疑われるケースもあります。

例えば、下塗り材の選定を誤っていたり、塗料を薄めすぎていたり、十分な乾燥時間を取らずに次の工程に進んでしまったりすることが原因として挙げられます。また、モルタルの乾燥収縮を見越した施工がなされていない場合も、早期のひび割れを引き起こします。だからこそ、実績があり、適切な施工管理を行う業者選びが非常に重要になるのです。

 

外壁のひび割れを「放置」するとどうなる?3つのリスク

外壁のひび割れは、人間で言えば「ケガ」や「病気のサイン」と同じです。放置することで自然治癒することはなく、徐々に悪化してしまいます。具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。

① 雨水の侵入による「構造部の腐食」

最も恐ろしいのが、ひび割れからの雨水の侵入です。表面のひび割れから入った水は、外壁材の下にある防水シートを超え、家の柱や土台といった「構造体」に到達することがあります。これらは家の骨組みとなる重要な部分ですが、一度濡れてしまうと簡単には乾きません。木材が湿気を含むと腐食が進み、家の耐久性(耐震性)が大きく低下してしまいます。

腐食が進むと、少しの地震で倒壊するリスクが高まるだけでなく、大規模なリフォーム工事が必要となり、場合によっては数百万円規模の修繕費になることもあります。外から見えない場所で進行するため、気づいた時には手遅れという事態も起こり得るのです。

② シロアリの発生

湿気を含んだ木材は、シロアリの大好物です。シロアリは光や風を嫌い、湿った暗い場所を好んで生息します。ひび割れを放置した結果、壁の内部がジメジメとした環境になり、知らない間にシロアリ被害が拡大してしまうケースも珍しくありません。外壁の隙間から侵入した雨水が柱を湿らせ、そこにシロアリが呼び寄せられるという負の連鎖が起こります。

シロアリに柱を食い荒らされると、建物の強度は著しく低下します。外壁塗装だけで済むはずだったメンテナンスが、シロアリ駆除や柱の交換工事まで必要になり、経済的な負担も精神的な不安も一気に大きくなってしまいます。

③ 健康被害(カビの発生)

壁の内部に水分がたまると、カビが発生しやすくなります。壁の中の断熱材が水分を吸ってカビの温床になると、断熱性能が落ちるだけでなく、胞子が室内へ飛散するリスクがあります。これが室内にも影響し、アレルギーや喘息などの健康被害を引き起こす原因になることもあります。

「部屋がなんとなくカビ臭い」「掃除をしても咳が止まらない」といった症状がある場合、実は外壁のひび割れが根本的な原因だったというケースも少なくありません。家族の健康を守るためにも、湿気の侵入経路となる外壁のひび割れは、決して軽視できない問題なのです。

 

自分でチェック!修繕が必要な「危険なひび割れ」の見分け方

では、どの程度のひび割れなら急いで修理すべきなのでしょうか?専門家が判断する際の一つの目安として「0.3mm前後」という基準が用いられることがあります。

経過観察でOK?「ヘアクラック」(幅0.3mm未満)

髪の毛(ヘア)のように細いひび割れです。主に塗膜表面の経年劣化によって起こることが多く、外壁材そのものが深く割れているわけではないため、今すぐ構造に重大な影響を与える可能性は低いと言えます。しかし、放置すれば劣化は確実に進行し、やがて大きなひび割れへと成長します。

次回の塗り替え時期には必ずメンテナンスを行いましょう。ご自身で見ても判断が難しい場合は、「まだ大丈夫」と自己判断せずに、一度専門家に見てもらうのが安心です。早めの塗り替えで、ヘアクラックの段階で保護し直すことが、家を長持ちさせる秘訣です。

要注意!「構造クラック」(幅0.3mm以上)

名刺がスッと入るくらいの隙間がある場合、構造クラックの可能性が高いとされています。幅が0.3mmを超え、深さが数mm以上に達している場合は、外壁を貫通している可能性もあります。このレベルになると、雨水が内部に侵入している可能性が非常に高くなります。

建物の揺れや歪みが原因で起きていることもあり、表面的な補修だけでなく、根本的な修繕が必要なケースもあります。塗装だけでは隠しきれない深い傷のため、専用の補修材を注入したり、下地から直したりといった専門的な処置が不可欠です。一刻も早い対応をご検討ください。

★セルフチェックのポイント
ご自宅にある「名刺」や「テレホンカード」などをひび割れに差し込んでみてください。もしカードが入るようであれば、早めに専門業者へ相談することをお勧めします。

 

【外壁材別】ひび割れの特徴と注意点

お住まいの壁の種類によっても、ひび割れの出方や注意すべきポイントが異なります。

モルタル外壁の場合

昔ながらの日本家屋によく見られる、職人が手作業で塗り上げた壁です。セメントと砂を混ぜて作るモルタル外壁は、乾燥収縮を起こしやすいため、ひび割れが最も発生しやすい外壁材です。

サイディングのような継ぎ目がない分、壁全体に力が分散されず、弱い部分に亀裂が入りやすい特徴があります。特に窓枠の四隅から放射状に伸びるひび割れはよく見られます。モルタル自体には防水性がないため、塗装による防水膜が切れた時点で、ひび割れから水を吸い込みやすくなります。定期的な塗装メンテナンスが欠かせない外壁材と言えるでしょう。

サイディング外壁の場合

現在主流のサイディング(ボード貼り)の場合、ボード自体が割れることもありますが、それ以上に多いのが「目地(コーキング)」のひび割れです。外壁の板と板の間には、地震などの揺れを吸収するための緩衝材としてコーキングが充填されています。ボードの継ぎ目にあるゴム状のコーキングが劣化してひび割れると、そこから雨水が侵入します。

コーキングの寿命は一般的に5年〜10年程度と言われており、外壁材よりも先に劣化して硬化・ひび割れを起こします。外壁の面だけでなく、縦横に走る継ぎ目のゴム部分を指で押してみて、弾力がなく硬くなっていたり、亀裂が入っていたりしないかチェックが必要です。

 

なぜDIYでの補修は危険なのか

ホームセンターなどで補修材(コーキング)が売られているため、「自分で埋めてしまおう」と考える方もいらっしゃいます。しかし、安易なDIYにはリスクがあります。

① 内部腐食を加速させる「湿気閉じ込め」

表面だけ埋めても、すでに内部で腐食が進んでいる場合、蓋をすることで湿気を閉じ込め、腐敗を加速させてしまうことがあります。中の水分が蒸発できなくなり、かえって状態を悪化させる「湿気閉じ込め」につながるケースもあります。

② 仕上がりが汚くなり、美観を損なう

素人が行うと補修跡が目立ち、後で塗装をする際にきれいに仕上がらないことがあります。盛り上がったコーキング跡は塗装しても消えず、外壁の美観を損ねてしまいます。また、適当な処置はすぐに剥がれて再発する原因になります。

③ 材料選びの失敗による「施工不可」トラブル

外壁材との相性が悪い補修材を使うと、すぐに剥がれてしまいます。シリコン系など、上から塗装ができない種類のコーキング材を誤って使ってしまうと、プロでも修正が困難になり、余計な工事費がかかることがあります。

 

プロはどう直す?本格的な補修工事の内容

私たちプロの塗装業者は、ただ隙間を埋めるだけでなく、建物を長く守るための適切な処置を行います。

シール充填工法(軽度のひび割れ)

比較的浅いひび割れやヘアクラックに対して行われる工法です。まずひび割れ箇所の汚れを清掃し、プライマー(接着剤)を塗布します。その上から専用のシーリング材(コーキング材)をひび割れ深くまで充填し、水の侵入を防ぎます。単に表面に塗るだけでなく、隙間の奥まで材料を押し込むように充填し、最後にヘラで平滑に均します。使用するシーリング材も、後から行う塗装を変色させない「ノンブリードタイプ」や、外壁材の挙動に追従する弾力性の高いものを選定するなど、プロならではの配慮が行われます。

Uカット・Vカット工法

構造クラックなどの深いひび割れの場合、そのままシーリング材を埋めてもすぐに割れてしまうことがあります。そこで、専用の電動工具(サンダー)を使って、あえてひび割れ部分をU字やV字にカットして溝を広げます。そこにシーリング材をたっぷりと充填することで、接着面積を広げ、補修材が奥までしっかり定着するようにします。

溝を広げることで、シーリング材が伸縮する余地(厚み)を確保し、再発を防ぐのです。その後、樹脂モルタルなどで表面を平らに戻し、既存の外壁模様に合わせて柄を復元する「パターン付け」を行うことで、補修跡を目立たなく仕上げます。

 

大規模修繕のことなら「マルキペイント」にご相談ください

費用対効果、品質、保証まで総合的に比較検討し、物件条件に最適な修繕計画をご提案します。居住者配慮や安全管理も徹底し、工事中の不安を最小化します。

低価格 × 国の瑕疵保険で安心

ゼネコン・管理会社経由より低価格でありながら、国土交通省が定める瑕疵保険に加入。工事後に品質上の欠陥が見つかった場合でも、保険会社による補償が受けられ、万一会社が無くなっても保証は継続します。

コスト削減とリスク低減を両立できるため、理事会やオーナーとして「価格か安心か」の二択にならず、合理的な意思決定が可能です。長期的な維持保全計画にも適合し、将来の修繕費の見通しを立てやすくなります。

大型物件に最適化した対応力

マンション・ビル・工場・倉庫などの大規模修繕に最適化された体制で、広面積・高所・動線確保・居住者配慮といった大型特有の条件に対応。工程管理と品質基準を徹底し、塗料の性能を引き出す気象・乾燥時間の管理も厳守します。

現地診断〜計画〜施工〜完了報告までの見える化で、手戻りやロスを最小化。仕上がりの美観と耐久性を両立させ、全体工期の安定化とトータルコストの最適化につなげます。

施工後も続く保証・フォロー

「低価格でもしっかりした安心保障」を明示し、瑕疵保険により数年後に欠陥が判明しても補償される仕組みを整備。施工して終わりではなく、定期点検や相談対応を通じて建物の状態を継続的に見守ります。

これにより、劣化の早期発見・早期対処が可能に。長期の資産価値維持に直結し、将来発生しうる臨時費用のリスクを軽減します。関係者への説明材料としても有効で、合意形成をスムーズに進められます。

まずは、お気軽にお電話にてご相談ください。

 

まとめ

「外壁ひび割れ 放置」は、百害あって一利なしです。早期発見・早期対応ができれば、大掛かりなリフォーム工事を防ぎ、修繕費用を最小限に抑えることができます。

「うちの壁、大丈夫かな?」と少しでも気になったら、マルキペイントへお気軽にご相談ください。強引な営業は一切いたしません。プロの職人が、あなたの大切なお住まいを診断いたします。

大規模修繕のご相談やお見積りのご依頼は、お電話でも承っております。建物の状態やご予算に合わせて、経験豊富なスタッフが丁寧にご案内いたします。