トヨタホームは、日本の自動車最大手であるトヨタグループに属するハウスメーカーです。トヨタ自動車の注文住宅部門を母体として2003年に設立されました。愛知県を中心に着実にシェアを伸ばし、2016年には大手ハウスメーカーのミサワホームを子会社化しています。

注文住宅も新築後7～10年程度経つと、メンテナンスが必要です。外壁塗装などのリフォームをしたいと考えたとき、費用面が気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、トヨタホームに外壁塗装の特徴からメリット・デメリット、依頼した場合の費用相場や、外壁工事の適正価格、外壁塗装を依頼する場合の注意点までを詳しく解説します。

トヨタホームは全国的に高いシェアを持ち、本社のある愛知県ではトップシェアを誇るハウスメーカーです。ハウスメーカーの多くは、会社ならではの独自性や特徴を持っています。トヨタホームの注文住宅にも、他のハウスメーカーにはない特徴やこだわりがあり、その点に惹かれて住宅の建築を依頼した方も多くいるでしょう。

しかし、トヨタホームにおける外壁塗装は、メリットだけではありません。もちろんデメリットも存在するため、事前に把握しておくことが重要です。

ここからは、トヨタホームにおける外壁塗装の特徴と、依頼するメリット・デメリットについて詳しく解説します。

トヨタホームの住宅の一番大きな特徴は、自動車製造で培ったノウハウを元にした鉄骨ラーメン構造の工業化住宅であることです。トヨタホームの住宅に標準施工されている外壁の多くには、サイディングボードが採用されています。

サイディングボードは、工場で製造される外壁材の一種です。工期が短く費用が安いため、多くの注文住宅の標準仕様となっています。
トヨタホームでは、自社工場で製造したサイディングボードに塗装を施してから施工現場に運び、壁に貼り付けるという流れが標準的な施工方法です。

トヨタホームの標準施工における特徴は以下の通りです。

外壁	サイディングボード	セラミック配合の窯業系サイディングボード。自社工場で製造・塗装を施したオリジナル製品。耐久性と断熱性に優れる。
	塗装	耐久性が最高グレードの色褪せない「無機塗料」HDセラコート採用。30年耐久試験実証済み。
	ジョイント部（目地）	一般的なコーキング（シーリング）ではなく、車の窓に使用するような定型パッキンを採用。
屋根	屋根材	非常に人気の高い屋根用化粧スレート「コロニアル」を採用。別名「カラーベスト」「コロニアル屋根」セメント質の板に色を塗った薄型の瓦をならべたもの。下地処理や防水工事が重要。

前述の通り、トヨタホームの注文住宅の標準仕様には、オリジナルのサイディングボードや目地コーキングに独自の定型シール（パッキン）を使用するなどの特徴があります。そのため、外壁塗装などのメンテナンスもトヨタホームに依頼したいと考える方もいるしょう。

ここでは、トヨタホームで外壁塗装をする際のメリットとデメリットについて解説します。

	メリット	デメリット
トヨタホーム	・自社メンテナンスのため新築時と同等の仕上がり ・定期的な点検や保証がしっかりしている ・ネームバリューがあるため安心感がある	・費用が高額で、住宅塗装専門会社の1.5～2倍以上になることもある ・提案されるプランが少ない
住宅塗装専門会社	・費用が6～7割程度に抑えられる ・プランがバラエティに富んで豊富 ・多くのプランから地域性やお客様の建物・予算に合った塗料を提案	・職人の数に限りがあるため、繁忙期には開始時期が遅くなる場合がある ・業者によって仕上がりに差がある ・屋根塗料の塗り直しは塗膜剥離を起こしやすく、工夫が必要

上記の表から分かるように、トヨタホームの外壁塗装は自社メンテナンスのため新築時と同等に仕上げてもらうことができます。ただし、住宅塗装専門会社よりも高額で利用できるプランが少ないです。
そのため、費用を安く抑えたい方は、住宅塗装専門会社の利用するとよいでしょう。

外壁塗装の価格は、塗装のグレードや塗料の違いだけで決まるわけではありません。施工する業者によっても異なります。業者によっては、見積金額が大きく跳ね上がることも珍しくありません。

以下は、一般的な外壁塗装の塗料別価格相場です。

建物の建坪	塗料の種類
	アクリル塗料	シリコン塗料
15坪	約650,000円	約750,000円
20坪	約800,000円	約950,000円
30坪	約1,050,000円	約1,100,000円
40坪	約1,300,000円	約1,400,000円

建物の建坪	塗料の種類
	フッ素塗料	光触媒塗料
15坪	約900,000円	約1,050,000円
20坪	約1,050,000円	約1,250,000円
30坪	約1,350,000円	約1,600,000円
40坪	約1,650,000円	約1,950,000円

※建坪とは、建物の1階部分の坪数を指します。2階部分も含めた総面積（延べ床面積）ではありません。

前述の通り、トヨタホームに外壁塗装を依頼した場合、費用相場は非常に高額となります。実際の施工は下請け業者が行い、中間マージンが発生するためです。

トヨタホームのような大企業の場合、多額のランニングコストや営業マンへの報酬費用、有名タレントなどを使用したCMや広告などの宣伝費がかかります。そのため、トヨタホームの工事価格には、高額な中間マージンが上乗せされていると考えてよいでしょう。

同じ条件で外壁塗装工事を請け負った場合、外壁塗装会社とトヨタホームでは、以下のような違いがあります。

	外壁塗装会社
	坪単価	金額
足場	約600円	約120,000円
高圧洗浄	約250円	約50,000円
下塗り	約800円	約120,000円
中・上塗り	約1,500円	約230,000円
下地・養生	–	約100,000円
破風塗装等	–	–
雨戸等	–	–
総額	–	約620,000円

	トヨタホーム
	坪単価	金額
足場	約1,200円	約240,000円
高圧洗浄	約250円	約50,000円
下塗り	約3,100円	約400,000円
中・上塗り	約3,100円	約400,000円
下地・養生	–	–
破風塗装等	–	約100,000円
雨戸等	–	約20,000円
総額	–	約1,210,000円

トヨタホームで外壁塗装を行う場合、他の外壁塗装会社より約2倍もの費用を支払うこととなります。そのため、外壁塗装を依頼する際は、予算をしっかりと考えた上で施工会社を選びましょう。

ここまで、トヨタホームに外壁塗装を依頼した場合のメリットとデメリットについて解説しました。費用が高額であることを踏まえても、やはり安心感からトヨタホームに依頼したいと考える方もいるでしょう。

しかし、外壁塗装は多額の費用を使用することとなるため、失敗しないためにも外壁塗装を依頼する際の注意点をしっかりと把握しておくことが大切です。

ここからは、トヨタホームに外壁塗装を依頼する場合の注意点を2つ紹介します。

トヨタホームに外壁塗装工事を依頼する場合、外構の費用も忘れずに計算しておきましょう。外構とは、住宅の敷地内における住居以外の部分を指します。具体的には、門や塀から庭や駐車場などを含む場所です。

外壁や屋根が経年劣化して工事が必要となるように、門や塀なども同じように補修が必要となってきます。
新築の際には住居部分の内装や外装に意識が向いてしまい、どうしても外構については後回しになりがちです。あまり費用がかけられず不本意な状態になった方や、満足のいくものにはなっても予算が大幅にオーバーしたという方も少なくありません。

そのため、トヨタホームに外壁塗装を依頼する場合には、特に忘れがちな外構工事の費用についても忘れずに計算しておきましょう。

トヨタホームは、トヨタ自動車の車づくりのノウハウを活かした住宅づくりが特徴のひとつです。自動車塗装と同じように、非常に高い水準の塗装がされた外壁は、30年以上美しさを保つといわれています。

しかし、外壁や塗装自体は30年の耐久性を誇るとしても、サイディングボードのジョイント部分のコーキング工事（シーリング工事）は、10年も持たないことが現状です。

トヨタホームでは、車の窓に使用するようなパッキンを外壁のコーキングに採用しているため、耐久性にも優れているとされますが、10年を目途にメンテナンスを行いましょう。外壁の保証期間の20年を過ぎたら、必ず打ち替えと呼ばれるコーキングの全交換をすることが、大切な家を守ることに繋がります。

今回は、トヨタホームに外壁塗装の特徴や依頼するメリット・デメリット、費用相場について紹介しました。

トヨタホームの外壁塗装は、新築時の同等にしてもらうことが可能です。しかし、他の外壁塗装会社に比べて高額の費用が必要となります。取り返しのつかない失敗をしたり、内容にそぐわない高額な請求を受けたりすることのないよう、業者選びは慎重に行いましょう。

メンテナンスについても適切なタイミングがあります。今回紹介した外壁塗装を依頼する際の注意点をおさえ、後悔のない外壁塗装を行ってください。