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2021.05.03

大規模修繕で耐用年数に応じて減価償却はできる?メリットやデメリット、計算方法も紹介!

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「大規模修繕の費用は耐用年数に応じて減価償却をできるか知りたい」
「大規模修繕で減価償却する際のメリットやデメリットが知りたい」

大規模修繕を検討していると、こうしたお悩みが生じてくるのではないでしょうか。
大規模修繕でかかる費用を経費にできるかどうかは、マンション経営における節税面で重要なポイントとなります。
しかし、減価償却について具体的な方法がわからず苦戦している方も多いでしょう。
今回は、大規模修繕費と減価償却に関して以下のポイントを解説していきます。

・大規模修繕で耐用年数に応じて減価償却は可能か
・大規模修繕の経費が減価償却できる理由
・大規模修繕で減価償却費を計算する方法
・大規模修繕で減価償却するメリットとデメリット

大規模修繕の費用を減価償却するためのいろはを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

大規模修繕で耐用年数に応じて減価償却は可能

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結論から言いますと、大規模修繕の費用はマンションの耐用年数に応じて減価償却ができます。
大規模修繕にかかった費用は、定められた建物の耐用年数に応じて経費計上することが可能です。
大規模修繕は高額な費用が必要なことから、なかなか踏み切れない方も多いかもしれません。
しかし、大規模修繕は節税効果を得るだけでなく、修繕によって入居率が上昇する場合もあります。
場合によっては手元に残る利益が増える可能性もあります。
大規模修繕になかなか踏み切れない方は、修繕費用の減価償却も検討して修繕計画を立ててみると良いでしょう。

大規模修繕の経費が減価償却できる理由

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大規模修繕にかかる経費が減価償却できる理由は、「基本的支出」だからです。
マンションにかかる費用には大きく分けて「基本的支出」と「修繕費」の2つがあります。
2つのうち、経費計上できるのは「基本的支出」です。
「修繕費」は経費計上ができません。
大規模修繕にかかる経費は、工事の特質から「基本的支出」で計上されます。
以下にて、「基本支出」と「修繕費」についてわかりやすく解説していきます。
また、マンションにかかる費用がどちらのタイプに分類されるのか見分ける方法も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

「基本的支出」とは

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基本的支出とは、建物の寿命を延ばしたり資産価値を向上させたりするために行われる工事にかかる経費です。
基本的支出に計上される大規模修繕の工事内容の例として、以下の3つが挙げられます。

・防水性を高める塗装工事
・防犯性を高めるための工事
・耐震性を高めるための工事

防水性を高める工事では、グレードの高い塗料を使用して屋根や外壁を塗装します。
建物の防犯性を高める工事内容は、オートロック機能のあるエントランスや玄関ドアへのリフォームなどです。
入居者のニーズに合わせた新しい設備の導入やマンションの寿命を延ばすための工事などは、基本的支出として計上されます。

「修繕費」とは

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一方で修繕費とは、建物の破損箇所を修繕するために行われる工事です。
わかりやすくいえば、原状回復費です。
修繕費として計上される工事例としては、以下が挙げられます。

・塗料が剥がれてきたため塗り直す
・雨漏りを修理する
・割れたガラスを取り替える

上記の通り、簡易的な補修工事の場合は修繕費とされるケースが多いです。

大規模修繕で「基本的支出」と「修繕費」を見分けるためのポイント

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大規模修繕の費用を「基本的支出」と「修繕費」に見分けるためのポイントは、以下の3点になります。

・3年ごとに行われる工事かどうか
・修繕費が60万円未満の工事かどうか
・費用が規定以下の工事かどうか

前回の施工から3年以内に行われた修繕は費用に関わらず、修繕費となります。
また、3年以上経過してからの工事でも、修繕費用が60万円未満の場合は修繕費です。
さらに、工事費用が建物の前期末の取得価格の10%以下の場合も、修繕費として計上されます。
ただし、大規模修繕費の相場は1戸あたり81~100万円ほどです。
20戸のマンションだとしても修繕費用は1,600~2,000万円ほどかかります。
大規模修繕の費用が100万円前後で収まるケースのほうが珍しいといえるでしょう。
そのため、大規模修繕にかかる費用は基本的支出として計上されるのが一般的です。

大規模修繕で耐用年数に応じて減価償却費を計算する方法

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減価償却費の計算式は、「物件の取得価格×償却率」となります。
償却率は建物の耐用年数ごとに決められています。
よって、減価償却費を計算するためには、最初に建物の耐用年数の算出が必要です。
以下で、耐用年数と償却率の詳しい算出方法を解説していきます。

建物の耐用年数の算出

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新築マンションの耐用年数は法定耐用年数で決められており、鉄筋コンクリートは47年、木造は22年、鉄骨造りは34年です。
中古物件の場合は、耐用年数を超えているかどうかで計算方法が異なります。

耐用年数を超えていない中古物件の場合、残りの法定耐用年数を算出する方法は「(耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」となります。
耐用年数が47年の物件を築15年目に取得した場合、「(47-15)+15×20%=35年」が残りの法定耐用年数です。
耐用年数を超えている中古物件の法定耐用年数の算出方法は、「新築時の耐用年数×20%」です。
耐用年数が47年の物件であれば「47×20%=9.4年」で算出できます。

償却率の算出

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償却率は、国税庁の減価償却資産の償却率表から算出可能です。
償却率を算出して、建物の耐用年数に掛けると減価償却費が簡単に割り出せます。
なお、マンションの造りによって償却率が異なります。
計算式を間違わないためにも、管理会社に問い合わせて償却率をきちんと確認するようにしましょう。

大規模修繕で耐用年数に応じて減価償却するメリットとデメリット

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大規模修繕で耐用年数に応じて減価償却するメリットとデメリットを紹介していきます。
メリットとデメリットをしっかりと把握して、大規模修繕での減価償却における失敗を防ぐようにしましょう。

大規模修繕の費用を減価償却するメリット

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大規模修繕の費用を減価償却するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
・設備投資を経費として計上できる
・法人税が抑えられる
・マンションの管理が行いやすくなる

1つずつ内容を詳しく解説します。

設備投資を経費として計上できる

大規模修繕の費用を減価償却するメリットに、設備投資を経費として計上できる点が挙げられます。
例えば、オートロック機能付き玄関の導入やハイグレードな塗料を使っての外壁塗装などにかかる高額な費用を経費計上すると、大きな節税効果が得られます。
設備投資により入居率がアップして家賃収入が増えた場合でも、費用を経費にできると利益を抑えられて節税ができます。
設備投資をすると、家賃収入が増えて税金が高くなり、損をする可能性が高いと考えられがちです。
しかし、減価償却することで、長い目で見るとマンション経営によって得られる収益を増やせられます。

法人税が抑えられる

大規模修繕の費用を減価償却すると、法人税が抑えられるメリットもあります。
減価償却費を経費計上すると、所得が少なくなるため、法人税が抑えられます。
法人でマンションを経営している場合は積極的に減価償却していきましょう。

マンションの管理が行いやすくなる

減価償却を行うと耐用年数が明確になり、マンションの管理が行いやすいというメリットもあります。
減価償却の残存期間が明確だと、設備の耐用年数や、前回の修繕から何年経過したかが把握できます。
外壁の塗り直しや屋上の防水工事など、それぞれの耐用年数に応じた定期的な修繕も正確に行えるでしょう。

大規模修繕の費用を減価償却するデメリット

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大規模修繕の費用を減価償却するデメリットは、以下の2つが挙げられます。

・帳簿上と現金の支出の流れが異なる
・会計処理を間違わないように注意する

どちらの点もマンション経営に関わる重要なポイントなので、しっかりと確認しておきましょう。

帳簿上と現金の支出の流れが異なる

大規模修繕の費用を減価償却するデメリットの1つは、帳簿上と現金の支出の流れが異なる点です。
大規模修繕の費用は工事の際に一括で支払い、経費は毎年建物の耐用年数に合わせて帳簿上で減価償却されます。
そのため、帳簿上と現金の支出の流れが一致しません。
特に借り入れを行っている場合は、お金の流れが一致せず、キャッシュフローが回らなくなる恐れもあるので注意が必要です。

会計処理を間違わないように注意する

会計処理の手間がかかる点も、大規模修繕の費用を減価償却するデメリットとして挙げられます。
減価償却は建物の耐用年数に応じて行うため、経費は一定額を毎年計上していきます。
しかし、税法が変わった場合は会計処理が複雑になるケースもあるでしょう。
税金面での不備は大きなトラブルにも繋がりかねませんので、不安な場合は税理士に相談しましょう。

大規模修繕では耐用年数に応じて減価償却を行い節税しよう

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大規模修繕の費用は耐用年数に応じて減価償却が可能です。
一時的に大きな支出はあるものの、家賃収入にかかる税金を抑えられます。
大規模修繕を検討している場合は、減価償却まで計画して効率よくマンション経営をしていきましょう。

大規模修繕工事を依頼する業者の選び方は「大規模修繕の工事業者はどう選べばいい?会社の選び方や注意点を徹底解説!」をご覧ください。