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2021.05.07

ビルに大規模修繕が必要な理由とは?施工の流れや注意点も紹介!

マンション5

「ビルに大規模修繕が必要な理由が知りたい」
「ビルの大規模修繕の流れが知りたい」

こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
商業施設やテナントなどが入るビルも、マンションと同じように大規模修繕が必要です。
今回は、ビルの大規模修繕について以下のポイントを紹介していきます。

・ビルに大規模修繕が必要な理由
・ビルの大規模修繕を行うタイミング
・ビルの大規模修繕工事の流れ
・ビルの大規模修繕にかかる工期
・ビルの大規模修繕にかかる費用相場
・ビルの大規模修繕を行う際の注意点

工事の手順や押さえておきたいポイントなどを解説していますので、ビルの大規模修繕について詳しくお知りになりたい方はぜひ参考にしてみてください。

ビルに大規模修繕が必要な理由

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ビルに大規模修繕が必要な理由は、入居者やテナントが安全で快適に過ごせるようにするためです。
ビルは商業施設やオフィスの入居が多く、マンションほど生活環境を整えなくても良いと考えられがちです。
しかし、劣化が進むとエレベーターの故障や給排水管の破損による水回りのトラブルなど、入居者やテナントに大きな影響を及ぼす恐れがあります。
建物の経年劣化は早めに対策しなければ、マンション同様に事故の発生や入居率の低下へと繋がるため、定期的な大規模修繕が必要です。
また、ビルに大規模修繕が施工されるのは、建物の美観や資産価値の維持も理由に挙げられます。
ビルの美観や資産価値の維持は入居率や経営に大きく関係します。
ビルの美観をきれいに保ち、有名企業の入居が決まれば、経営においても安心できるでしょう。
反対に定期的なメンテナンスを怠り、ビルの資産価値が減少すると空室も増えて、負債を生み出す可能性もあります。
ビル経営をうまく回すためにも大規模修繕は必要といえます。

ビルの大規模修繕を行うタイミング

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ビルの大規模修繕を行うタイミングはおよそ12年おきです。
ただし、実際の建物の状態を見ながら施工のタイミングを早めたり遅めたりする場合もあります。
例えば、入居者の大規模な入れ替えがある場合は、タイミングを合わせて大規模修繕を行うのも良いでしょう。
また、外壁工事や防水工事は10年、エレベーターや配管などの設備の改修は30年を目処に工事内容を分けて大規模修繕を行います。
どの部分を修繕するか、建物診断の際に細かく確認しましょう。

ビルの大規模修繕工事の流れ

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ビルの大規模修繕工事は、一般的に以下の流れで行います。

1.修繕委員会を発足する
2.建物の診断と調査を行う
3.施工業者を決めて契約する
4.説明会を開く
5.大規模修繕工事を行う

順番にステップを踏んでいくことで、スムーズに着工まで進められます。
それぞれのステップの内容を見ていきましょう。

修繕委員会を発足する

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最初に修繕委員会を発足します。
修繕委員会とは有志のビル入居者で構成される、修繕プロジェクトを取り仕切る団体です。
修繕計画が入居者に対して公平性のあるものか、修繕によりビルの問題点を適切に解決できるかなどを確認しながら工事を進めるために結成されます。
さまざまな意見を取り入れるためにも、入居年数や年齢層などを考慮して人員を選び構成するのがポイントです。
施工時や工事の終了後に入居者とのトラブルを生じさせないためにも、修繕委員会は必須といえます。

建物の診断と調査を行う

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次に、建物の診断と調査を行います。
建物の状態を正しく把握しておくことで、おおよその工事期間や必要な工事内容、費用の算出ができます。
建物診断で不備があると工事の着工後に追加費用が発生したり、修繕内容の変更がでたりとスムーズな大規模修繕ができません。
修繕計画の土台となる部分でもあるため、専門家に依頼して的確な建物診断を行いましょう。

施工業者を決めて契約する

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建物診断を行ったら、施工業者を決めて契約します。
施工業者の決め方には大きく分けて3つあります。

・相見積もりをして選定する
・「入札方式」で選定する
・「特命随意契約方式」で選定する

相見積もりは複数社に見積り依頼をして、比較検討しながら業者を選定する方法です。
最も一般的で素人でも手軽に行える選定方法となります。
「入札方式」は公募や指名で選ばれた複数の業者で競争入札を行い、単価の一番低い会社に依頼する方法です。
入札方式は費用を抑えられるメリットと、単価の低さから施工不良に繋がる恐れがあるデメリットがあります。
「特命随意契約方式」は、いわゆる付き合いのある業者へ依頼する方法です。
紹介や、前回の大規模修繕を担当してもらった業者へ工事を依頼します。
特命随意契約方式で選ばれる会社は、地域密着型の施工業者が多いです。
自身で業者を選ぶのが不安な方は、いずれの方法にしても専門家のアドバイスを受けながら選定作業を進めていきましょう。

ビルの入居者やテナントに対して説明会を開く

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依頼する施工業者が決まれば、ビルの入居者やテナントに対して説明会を開きます。
具体的には、工事内容や施工費用、工事中の騒音や塗料の臭いなどに対する注意点について説明が必要です。
特にビルの場合、足場でビルの周りを囲むことで商業施設の営業に支障が出る場合があります。
入居者やテナントが不満を抱かないためにも、工事期間中の対応方法をしっかりと話し合って決めなければいけません。
また、修繕積立金を集めている場合は、修繕費用として適切に使われているかどうか入居者から理解を得る必要もあります。
大規模修繕を行うのであれば入居者にとってもメリットのある工事にしたいものです。
修繕計画を細かく説明して、理解を得られるかどうか確認しましょう。

大規模修繕工事を行う

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説明会が終われば、大規模修繕工事の着工に入ります。
ビルの大規模修繕の内容には以下のような工事があります。

・仮設工事
・下地補修
・塗装工事
・防水工事
・設備工事

工事内容を大まかにでも把握しておくと、実際に施工が正しく進められているか判断しやすくなるでしょう。
それぞれの工事内容を詳しく解説します。

仮設工事

仮設工事は、修繕をスムーズに進めるために必要な設備を備え付ける工事です。
仮設の例としては以下のようなものがあります。

・資材置き場
・仮設事務所
・休憩所
・トイレ
・連絡用掲示板

なお、仮設工事をすると水道や電気などを使用することになるため、依頼主の協力が必要な場合もあります。

下地補修

下地補修は外壁のひび割れや浮き、鉄筋の腐食部分などを直していく工事です。
下地補修をしなければ、その後の塗装や防水工事がうまく施工できず、失敗の原因となってしまいます。
そのため、下地調査の段階で補修部分をきちんと把握することも重要です。
また、高圧洗浄により屋根や外壁などの汚れを落とすことも大規模修繕を成功させるためには欠かせません。

塗装工事

外壁塗装はビルの外観を整えて、建物の劣化を抑える役割があります。
塗料によって外壁を雨風や紫外線から保護して、建物全体の耐久性を維持します。
そのため、ビルの周辺環境や劣化状況に合わせて、どのような塗料を使用するか業者と相談して決めると良いでしょう。
例えば、雨の多い地域なら防水性に優れた塗料を、地震が発生しやすい場合は弾性のあるタイプを選ぶと良いです。
なお、製品のグレードによって費用は大きく異なるため、予算を踏まえて塗料は決めていきましょう。

防水工事

防水工事はビルの屋上を雨から守るための工事です。
ビルの屋上は平屋根が多く、雨量の多い日には雨水が溜まりやすくなります。
雨水が適切に排水されないと、コンクリートへ浸食して、建物の内部の劣化を早める原因となります。
特にビルの場合、内部の鉄筋がサビると致命傷となるため、屋上の防水工事は多少コストが掛かっても手を抜かずに行いましょう。

設備工事

設備工事はビルのさまざまな設備の補修工事です。
例えば、給排水管の交換やエントランスの清掃、補修などが挙げられます。
外壁や屋上防水は劣化が目に見えてわかりやすいです。
しかし、建物の内部の設備は実際に使用したり調査したりしないと状態を把握できません。
建物診断を丁寧に行ったり、入居者の意見を取り入れたりしながら補修が必要な設備があるか確認しておきましょう。

ビルの大規模修繕にかかる工期

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ビルの大規模修繕にかかる工期は、建物調査から工事の計画までに半年から1年、長くて2年ほどです。
外壁塗装や防水工事は3~6ヵ月ほど、配管や設備の修繕工事を行う場合は追加で1~2ヵ月ほどかかります。
修繕計画がまとまらなかったり天候によって塗装工事ができなかったりすると、工期も大幅に遅れるでしょう。
反対に、着工までスムーズに進められたり、修繕箇所が少なかったりすると工事を早く終えられる可能性もあります。
工事にかかる期間について入居しているテナントや商業施設にきちんと説明をして、施工中の騒音や不便な点の対策を行いましょう。

ビルの大規模修繕にかかる費用相場

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ビルとマンションの大規模修繕にかかる費用相場はほぼ変わりません。
ビルの大規模修繕にかかる費用相場はおよそ3,000~3,500万円です。
1平方メートルあたりの床面積の費用相場は以下のとおりです。

ただし、施工後に修繕箇所が想定よりも多かったり工期が延びたりしたときなどは修繕費用が追加されるケースもあります。
工事価格が想定外の高さになったり、莫大な追加費用が発生したりしないようにするためにも、建物調査をしっかりと行っておきましょう。

ビルの大規模修繕を行う際の注意点

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ビルの大規模修繕を行う際の注意点は、以下の4つです。

・安さで業者を選ばないようにする
・ビルの入居者に工事の詳細を伝える
・近隣住民へあいさつをしておく
・防犯対策を行う

いずれも、トラブル無く大規模修繕を成功させるために押さえておきたいポイントです。
それぞれのポイントの内容を詳しく紹介しましょう。

安いという理由で業者を選ばないようにする

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ビルの大規模修繕を行う際は、安いという理由で業者を選ばないようにしましょう。
見積もり価格が安いという理由で業者を選ぶと、手抜き工事をされたり施工不良が発生したりします。
価格が安いということは作業工程を省かれたり、人件費の削減のために作業員を減らされたりする可能性があります。
大規模修繕の工事は適切な工法で行わないと、後から問題が発生する可能性が高いです。
また、安さを売りにしている業者は、施工開始の前か後に追加費用を請求する場合もあります。
相見積もりをして業者ごとの工事価格を比較したり、施工実績を確認したりするなどして優良業者を選ぶようにしましょう。

ビルの入居者やテナントに工事の詳細を伝える

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大規模修繕の際は、ビルの入居者やテナントに工事の詳細を伝えることも大事です。
説明会ではテナントの代表者のみが出席するケースが多く、入居者全員に工事の情報が伝わらない場合があります。
そのため、チラシを配布したりビルのエントランスに張り紙をしたりして、なるべく入居者全員に工事期間や工事内容などが伝わるようにしましょう。
その際、工事期間に起きうるトラブルの具体的な対策方法も合わせて伝えておくと入居者も安心するでしょう。
入居者からの工事に関する問い合わせ窓口の設置も忘れずに行ってください。

近隣住民へあいさつをしておく

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ビルの大規模修繕では騒音や臭い問題が発生しやすいので、近隣住民へあいさつしておくことも大事です。
大規模修繕では大型の工事車両の行き来や多数の人の出入り、塗料の臭いや工事で発生するほこりなどで近隣住民が不便を強いられることになります。
大規模修繕において、近隣とのトラブルが発生するケースも少なくありません。
工事内容と施工期間を近隣住民へ伝えて、理解を得ておくことが大切です。

防犯対策を行う

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大規模修繕を行う際は、ビルの防犯対策をしっかりと行いましょう。
工事中は足場から空き巣に入られる可能性があります。
入居者の中には、上階にいることから普段は窓の鍵を締めないという方もいるでしょう。
工事中は必ず窓やドアの鍵をかけることを周知したり、業者のスタッフには名札や腕章などをつけてもらったりして防犯対策を徹底することが重要です。

ビルの大規模修繕は建物の美観や資産価値を維持するために行おう

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ビルの大規模修繕は建物の美観や資産価値の維持に欠かせません。
建物の美観や資産価値の維持は入居率にも影響するため、定期的に修繕工事を行いましょう。
はじめての大規模修繕で進め方がわからないという方は、今回の記事を参考にしながら優良業者に相談して工事を成功させましょう。

大規模修繕工事を依頼する業者の選び方を知りたい場合は「大規模修繕の工事業者はどう選べばいい?会社の選び方や注意点を徹底解説!」をご覧ください。