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2021.02.16

マンションの大規模修繕に多いトラブルとは?原因や対策方法を詳しく解説

大規模修繕 工事業者5

「マンションの大規模修繕で起こるトラブルとは?」
「トラブルが起きないようにするにはどうしたらいい?」
こういった疑問を持っている人は多いでしょう。
この記事では、マンションの大規模修繕で起こるトラブルと対策をわかりやすく説明します。
具体的には以下の情報を解説します。
・マンションの大規模修繕で起こりやすいトラブルと対策
・大規模修繕工事の確認するべきポイント
・大規模修繕のためにある保険制度
・優良業者の選定ポイント
・トラブルが起こった場合の相談先
記事を読めば、大規模修繕に必要な知識を身に着けられ、トラブルを避けやすくなるでしょう。

マンションの大規模修繕で起こりやすいトラブルと対策

マンション 外壁塗装2

マンションの大規模修繕には、多くの人や多額の金額が関わるため、自然とトラブルは起こりやすくなります。
代表的なトラブルは以下の5つです。
・修繕積立金の不足によるトラブル
・居住者とのトラブル
・業者とのトラブル
・近隣住民とのトラブル
・空き巣による被害
どんなトラブルが起こりやすいかを把握しておけば、事態に直面してもスムーズに対応できるでしょう。
詳しく解説していきます。

修繕積立金の不足によるトラブル

マンション 大規模修繕トラブル3

マンション大規模修繕では修繕積立金が不足して工事が難しくなることがあります。
一般的に居住者による修繕積立金の滞納や長期修繕計画の甘さが原因です。
不足してしまった場合は、以下の方法で費用を補う必要があります。
・修繕積立金の追加徴収をする
・修繕積立金の値上げをする
・金融会社からの借り入れをする
それぞれチェックしていきましょう。

修繕積立金の追加徴収をする

大規模修繕工事を行う際に不足してしまう額を居住者(戸数)で割り、一時金として追加徴収をする方法です。
一時金の徴収は金利がかからず、資金も手早く集められるというメリットがあります。
しかし、実際には家計の負担が重く、工事直前になっても資金が集まらないというケースがほとんどです。
不足金が少額であれば、住民に事情を説明して徴収するのは可能でしょう。
金額が大きければ、全住民から徴収するのは困難になります。
直前で資金が集まらない場合は、工事内容の変更や施工会社の支払いが遅延する原因にもなるので極力避けたほうが良いでしょう。

修繕積立金の値上げをする

居住者の毎月の修繕積立金の額を値上げする方法です。
メリットは、一時金と異なり、住民に一度にかかる負担が少ないことです。
しかし、毎月の負担額が上がるため、住民からは必ず反対意見が出るでしょう。
値上げをする際は、工事に必要な資金のデータを用意して、住民に時間をかけて説明を行う必要があります。
修繕費用の目途がついていて、工事が始まる期日までに余裕がある場合は検討するとよいでしょう。

金融機関からの借入をする

不足分を金融機関から借り入れて補填する方法です。
金融機関を利用すれば、工事前に資金が集まらないというリスクを減らせます。
ただし、毎月の修繕積立金は返済に回っていくので、なかなか積立金を増やせなくなるでしょう。
利息もかかり、支払い金額が増えてしまうというデメリットもあります。
資金を手早く集められ、住民からのクレームも防ぐことができるので、一番現実的な手段といえるでしょう。

修繕委員会でのトラブル

マンション 大規模修繕トラブル4

修繕委員会とは、マンション住民で大規模修繕工事のために構成される組織です。
主な業務は施工会社の選定や打ち合わせ、マンション住民の窓口対応となります。
修繕委員会でのトラブルは、一般的に委員が少なかったり、多かったりする場合に起こりやすいです。
例えば2~3人と少ない人数で構成されれば、それぞれの事情で忙しく、集まることが出来ない場合もあるでしょう。
業務が進まず、管理会社に任せてしまい、費用がかさむという結果になりかねません。
一方で、人数が多ければ、意見がまとまりづらくなります。
委員同士の意見が合わない場合は、専門機関に第三者として参入してもらうのも手でしょう。
委員を選出する際の理想的な人数は5人で、公平性を維持するため年齢や性別など幅広い範囲で選ぶようにしましょう。

居住者とのトラブル

マンション 大規模修繕トラブル5

マンションの大規模修繕には、居住者とのトラブルはつきものです。
工事中は住民から騒音やにおい、プライバシー侵害などのクレームが起こりやすくなります。
大規模修繕には居住者の理解と協力が前提にあることを理解して、配慮を怠らないようにしましょう。
以下で起こるトラブルを想定し、事前の対策をチェックしておきましょう。

騒音・におい・ホコリなどによるクレーム

マンションの大規模修繕を行っていると、騒音やにおい、ホコリなどでクレームが発生することがあります。
工事中は足場を組む騒音や塗料のにおいが発生し、ホコリで洗濯物が干せないこともあるでしょう。
工事期間は大規模であれば半年~1年以上です。
劣化状況により期間がさらに延びれば、住民のストレスも増えてしまいます。
住民にかかる負担を減らすためには、事前に大規模修繕について説明会を開き丁寧な説明を行いましょう。
工事開始前には、どんな工事をいつ(期間や時間帯)するか、生活面でどんな不便が生じるかなど詳しく通知することが大切です。
加えて施工会社にも通知した時間を厳守して工事するように念を押しておきましょう。

プライバシー侵害への不安によるクレーム

大規模修繕を行っていると、窓の外から作業員に室内を見られるのではと不安に思われる方も多いです。
実際、カーテンを閉めていて開けたら作業員がいたというトラブルはよく起こります。
プライバシーの侵害によるトラブルをさけるためにも、工事期間や時間帯の通知を徹底しましょう。
そして、施工中はカーテンを閉めたり、外出したりして住民に対策してもらうことが重要です。
作業員に対してもプライバシー侵害の対策についてはきちんと教育しておく必要があります。
外壁の補修や塗装などの際には室内に目を向けない、室内に入る際はノックしたり中を見渡したりしないように徹底してもらいましょう。

業者とのトラブル

マンション 大規模修繕トラブル6

施工会社の選定を間違えるとトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
主なトラブルは以下の4つです。
・施工ミスや工期の大幅な遅延
・施工費用の追加請求
・施工業者の倒産
・悪質なコンサルタントによるトラブル
上記を把握すれば業者とのトラブルを避けやすくなるでしょう。
詳しく解説していきます。

施工ミスや工期の大幅な遅延

技術力が低い、または悪質な業者による施工によって工事の失敗や工期の大幅な遅延が起こることがあります。
施工業者の技術力が低ければ、図面の見間違いや指示間違いが起こりやすくなります。
特に現場監督が不在の場合は、すぐに不明点を確認できないため、施工ミスにつながりやすいです。
トラブルを減らすためには、慎重に業者を選び、管理会社やコンサルタントに任せっぱなしにしないようにしましょう。
なかでも悪質な業者は故意に工期を遅らせて、発生する人件費を余分に搾取するケースもあるので注意しましょう。

施工費用の追加請求

大規模修繕工事の途中や完了時に、施工費用の追加請求をされる場合があります。
一般的には、工事前に専門家がマンションの劣化状態を目視でチェックします。
ただし、配管の内部や給水ポンプなどの故障はわからないことが多いです。
着工後細部のチェックを行った際に修繕箇所が見つかる場合もあるので、追加請求を含めた余裕のある資金を用意しておきましょう。
追加請求をされた際は、不要な工事を勝手に施工された可能性もあるため注意が必要です。
契約前の見積もりにあった工事内容かをチェックして、不要な施工の場合は支払わないようにしましょう。

施工業者の倒産

大規模修繕工事の施工中に業者が倒産してしまい、工事が継続できなくなることがあります。
工事が継続できない場合は新たな業者を探さなければならず、費用がさらにかかってしまうでしょう。
工期も伸びてしまい、マンション住民に不安を与えてしまうことになります。
トラブルを防ぐためには、優良業者を見つけることが重要です。
依頼する業者の会社規模や経営状況は必ず事前に確認しておきましょう。
経営状況を調べるには、ホームページや企業信用調査会社を利用することがおすすめです。
大きな判断材料となるので、情報収集は徹底して行いましょう。

悪質なコンサルタントによるトラブル

マンションの大規模修繕工事では、悪質なコンサルタントが談合を行うトラブルが多発しています。
悪質なコンサルタントが行う談合とは、施工会社と癒着して工事費用を高く吊り上げ、キックバック(賄賂)を得ることです。
コンサルタントだけでなく、管理会社と施工会社が癒着しているケースもあるので注意が必要です。
悪質なコンサルタントに依頼すると、工事費用を水増しされたり不要な工事を行われて追加請求をされたりすることもあります。
発注者にとって談合は大きな損失となってしまうので避けなければいけません。
談合を防ぐためには、できる限り多くの施工会社から見積もりを出してもらいましょう。
多くの見積書を細かく比べることにより談合が行われているかどうかを見破りやすくなります。
工事費用が一般価格より数割高い、不要な工事が組み込まれているといった場合は談合の可能性が高いです。
少しでも怪しく感じたら、コンサルタントが選んだ業者への工事の依頼は避けましょう。

近隣住民とのトラブル

マンション 大規模修繕トラブル7

工事期間中は近隣住民とのトラブルも発生しやすいため、より丁寧な対応が必要となります。
近隣住民からのクレームで多いのが、工事中の騒音やにおい、ホコリで洗濯物が干せないことです。
加えて工事車両の駐車に対するクレームも発生しやすいので注意しましょう。
トラブルを予防するためには、修繕工事の前に丁寧な説明を行い、理解してもらえるように務めることです。
説明する際には、工事の期間や時間帯、工事内容を明確に伝えておきましょう。
あわせて管理組合の連絡先を伝え、クレーム対応の窓口を作っておくことも大切です。
クレームが上がったときに、素早くくみ取り、早急に対処できます。
日ごろから近隣住民と良い関係を作り、コミュニケーションを取っておくこともトラブル回避のポイントといえるでしょう。

空き巣による被害

マンション 大規模修繕トラブル8

大規模修繕を行う際には、足場を設置するため、空き巣による被害が発生することがあります。
防犯対策としてあげられるのは以下の4つです。
・防犯カメラの設置
・補助錠の貸し出し(窓のサッシに取り付ける補助錠)
・人感センサーライトの設置
・作業員はカラーベストや腕章を着用
特に、工事中は多くの人が出入りしており、マンション住民には部外者かどうか見分けがつきません。
工事を施工する際には、カラーベストや腕章の着用を義務付けてもらい、作業員が関係者であることがわかるようにしましょう。
あわせて住民にも施錠を徹底させることで防犯対策に協力してもらう必要があります。
空き巣による被害を減らすためには高いセキュリティー対策を備えている業者を選びましょう。

マンションの大規模修繕トラブルを防止するために確認したいポイント

マンション 大規模修繕トラブル9

マンションの大規模修繕トラブルはさまざまな原因により起こります。
トラブル防止を行うために以下の3点を確認しましょう。
・長期修繕計画を見直す
・瑕疵保険に加入している業者を探す
・優良業者に工事を依頼する
上記を把握すれば、大規模修繕に大切なポイントを知ることができます。
チェックしていきましょう。

長期修繕計画を見直す

マンション 大規模修繕トラブル10

マンションの大規模修繕は長期修繕計画に沿って施工されており、計画内容は5年をめどに見直しが行われます。
長期修繕計画は、計画を立てた段階での工事費用を表しているため、時が経てばずれも生じてきます。
例えば、建物の劣化状況が想定より激しければ、追加で修繕する箇所も出てくるでしょう。
また、物価の上昇や人件費の高騰など社会情勢の変化も工事費用に影響してきます。
実際工事を行う際には長期修繕計画に提示されている修繕積立金では足りない場合も多いです。
修繕積立金が不足しそうであれば、無駄な出費はないか、追加徴収なしで補填できないかなど検討する必要があります。
長期修繕計画の見直しを定期的に行い、修繕積立金が不足するリスクを減らしましょう。

瑕疵(かし)保険に加入している業者を探す

マンション 大規模修繕トラブル11

業者が瑕疵保険に加入しているか確認し、入っていないようなら依頼しましょう。
瑕疵保険とは、発注者が安心して大規模修繕工事をおこなうために検査と保証がセットになった保険です。
第三者の建築士が施工前と施工後にチェックを行うため、施工会社の手抜き工事を阻止することができます。
欠陥が見つかった場合は、施工会社に保険金が振り込まれ、欠陥の補修が行われます。
施工会社が倒産してしまった場合は、発注者に直接保険金が振り込まれるので、新しい業者を探すことになるでしょう。
保証対象は、業者が発注者との間で契約した工事請負契約に基づき修繕工事を実施した部分となります。
主に以下の7つです。
・構造耐力上主要な部分(耐震補強工事や柱、壁工事など)
・シーリングや外壁工事など雨水の浸入を防止する部分
・配給水管路・配給水設備
・電気設備
・ガス設備
・防錆工事を行った手すりなどの鉄部
・外壁タイル(特約)
加入する保険会社によって保証対象は異なるため、契約する前に必ず確認しましょう。
一般的に保証期間は工事完了後から5年です。
ただし、鉄部に関しては2年となっています。
保険法人に登録済みの施工会社を調べる際は、住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページでチェックしてみましょう。

優良業者に工事を依頼する

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大規模修繕工事でのトラブルを避けるためには、優良業者に工事を依頼しましょう。
優良業者を見極める際のポイントは以下の3つです。
・大規模修繕工事の実績が豊富
・質の高いサービス
・従業員の対応が良い
上記を把握して、施工業者を選ぶ際の判断材料にしましょう。

大規模修繕工事の実績が豊富

大規模修繕工事の実績が豊富な業者は、安心して依頼できるといえるでしょう。
マンションの大規模修繕は期間も長く、入居者が住んでいる状態で行わなければなりません。
工事の進め方がスムーズで、住民との接し方に慣れていたほうが、トラブルが起こるリスクをはるかに抑えられます。
依頼する業者に施工事例の物件を紹介してもらい、実際に足を運んでオーナーに話を聞くのもよいでしょう。
ホームページをチェックして、同等のマンションの修繕歴があるかどうかを確認するのもおすすめです。

質の高いサービス

大規模修繕工事のトラブルを避けるためには、質の高いサービスが受けられるかは重要なポイントです。
質の高いサービスとは工事内容だけでなく、施工中の居住者や近隣への配慮、安全対策をいいます。
施工会社のプレゼンテーションで居住者や近隣住民へのサポート体制が整っているか、詳しいセキュリティー対策を確認しましょう。
工事後の定期的な点検やアフターサービスは施工業者によって様々です。
特に施工後の定期点検の頻度や不具合発生時の保証が充実しているかは忘れずに調べておきましょう。

従業員の対応が良い

施工会社を選定するプレゼンテーションでは、担当者や現場監督の対応力がいいかを確認しましょう。
特に現場監督のコミュニケーション能力と人柄は重要で、工事の質に大きく関わります。
マンションの大規模修繕には居住者の協力は必須です。
現場監督と居住者が円滑なコミュニケーションをとれれば、クレームもあがりづらく、スムーズに作業が進みます。
親身になって相談に乗ってくれるか、マンションの居住者への配慮はしてくれるかなどをチェックするようにしましょう。

マンションの大規模修繕トラブルが起こった場合の相談先

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大規模修繕工事で起きたトラブルは公益財団法人マンション管理センターに相談しましょう。
公益財団法人マンション管理センターは、国土交通大臣指定の機関で、マンション管理についての相談や情報提供を行っています。
受ける相談内容は大規模修繕だけでなく、管理費、理事会などさまざまです。
加えて簡易的長期修繕計画の作成と修繕積立金の額を算出するサービスも安価で行っています。
マンション管理組合や居住者の強い味方としてとらえ、トラブルが起こった場合は早急に連絡しましょう。

マンションの大規模修繕は優良業者に依頼してトラブルを回避しよう

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マンションの大規模修繕を成功させるためには、居住者や近隣住民の理解と協力が必要です。
あらゆる事態を想定して事前に対策を行えば、トラブルを最低限に抑えられるでしょう。
そしてなにより重要なのが施工会社の選定を失敗しないことです。
情報収集を徹底して、談合や手抜き工事を行う悪徳業者を見極めましょう。
そして、マンションの大規模修繕は、優良業者に依頼してトラブルを回避しましょう。

また、大規模修繕工事がはじめての場合は「初めての大規模修繕!工事タイミングや費用、実施のガイドライン」もご覧ください。