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2021.02.21

マンションの大規模修繕にかかる期間はどれくらい?工事の準備から完了までの流れも解説

マンション 大規模修繕期間1

マンションの居住空間を快適に保ち、資産価値を維持するために欠かせないのが大規模修繕です。
マンションの大規模修繕を初めて迎える人にとっては、修繕に掛かる期間や全体的な流れについて不明な点が多いでしょう。
大規模修繕にかかる期間は数か月~数年に及ぶため、計画的に準備を進める必要があります。
そこでこちらの記事では、マンションの大規模修繕にかかる期間と必要な準備、工事完了までの流れを解説します。
大規模修繕を行うために不可欠な知識が得られるため、ぜひご覧ください。

マンションの大規模修繕にかかる期間

マンション 大規模修繕期間2

マンションの大規模修繕は、準備から工事完了まで1年半~2年半程度かかります。
さらに具体的な期間を示すため、大規模修繕を2つの時間軸に分けて考えてみましょう。
大規模修繕を「準備から着工」「着工から工事完了」までの期間に2分割します。
(着工とは実際に工事に取り掛かることです。)
まず準備から着工までの期間は、通常1年~1年半程度の時間を要します。
そして着工から工事完了までの期間は、マンションの規模や条件によって変わります。
目安としては50戸未満の小規模マンションで約2~3か月、100戸を超える大規模マンションでは約5か月~1年程度が一般的です。
大規模修繕の準備には手間と労力がかかるため、工事期間よりも準備期間の方がはるかに長くなります。
マンションの大規模修繕を円滑に進めるためには、事前にしっかりと準備しなければなりません。

マンションの大規模修繕を行うための長期修繕計画の作成

マンション 大規模修繕期間3

マンションの大規模修繕は、長期修繕計画に沿って行われます。
長期修繕計画とは、マンションの経年劣化に備え、定期的な修繕をあらかじめ計画しておくことです。
国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」によると、大規模修繕の周期は12年が目安となります。
修繕に必要な工事を網羅するには、2回目の大規模修繕まで見越して計画を立てるのが基本です。
ただし新築マンションの場合、設備関係の修繕も計算に入れ、30年を計画期間とするのがよいでしょう。
既存マンションでは2回目の大規模修繕を含み、25年の計画期間が推奨されています。
しかし実際のところ、1回目の大規模修繕を築11~15年、2回目を築26~30年で行っているマンションが多いです。
一般的な目安にならうのもよいでしょう。
また、長期修繕計画は一度作成すればそこで終わりではありません。
建物の調査・診断を5年程度ごとに行い、長期修繕計画を定期的に見直しする必要があります。
見直しする際は、以下3つのポイントを確認しましょう。
・建物や設備の劣化具合はどうか
・建物が時代遅れになっていないか
・修繕積立金は順調に増えているか
続いては、長期修繕計画を作成する理由を解説します。

長期修繕計画を作成する理由

マンション 大規模修繕期間4

長期修繕計画を作成するのには、大きく2つの理由があります。
・修繕積立金を安定して徴収するため
・適切に工事が行えるようにするため
建設した当時のままのマンションでは、設備や性能は徐々に時代遅れになります。
快適な居住空間を保ち、マンションの資産価値を維持するためには適切な修繕工事が欠かせません。
適切なタイミングで修繕工事を行うには、修繕費用の計画的な積み立てが必要です。
長期修繕計画で今後見込まれる工事を明確にしておけば、概算の修繕費用も計算できます。
修繕がいざ必要になってから工事内容や修繕費用について検討すると、時間も予算も足りなくなる恐れがあります。
円滑に修繕工事を進めるためには、あらかじめ長期修繕計画を作成しておくことが非常に大切です。

長期修繕計画を作成する手順

マンション 大規模修繕期間5

長期修繕計画は、以下の構成を基本に作成します。
1.建物や設備の概要
2.劣化の調査・診断の概要
3.長期修繕計画と修繕積立金の考え方
4.長期修繕計画の内容
5.修繕積立金の額の設定
新築マンションの長期修繕計画及び修繕積立金を議決するタイミングは、2つのケースが考えられます。
分譲事業者からの引き渡しが成立した時点、もしくは引き渡し後の管理組合設立総会にて議決する場合です。
既存マンションの場合、まずは理事会で長期修繕計画及び修繕積立金の見直しを検討します。
理事会での検討後専門家に調査や作成を依頼し、最終的に理事会や管理組合の総会で議決します。
修繕積立金の設定については、計画期間内の積み立て金額を均等化する「均等積立方式」が基本です。
新築マンションで築年数が浅いうちは、必要な工事に比べ修繕積立金が割高に感じられます。
しかし、マンションが古くなって修繕箇所が増えても、積立金の額はほとんど変わりません。
そのため、将来的な負担が増えにくくなります。
数十年後もマンションを所有し続ける予定なら、均等積立方式を設定するとよいでしょう。
「段階増額積立方式」といった積み立て方法もありますが、この方式は建物が古くなるにつれて所有者の負担が増えるのが懸念点です。
築年数が古くなるほど必要な工事が増えるため、修繕にかかる費用も高くなります。
経年劣化とともに積立金が増額するため、段階増額積立方式を設定する際は充分注意しましょう。

マンションの大規模修繕を準備して着工するまでの期間の基本的な流れ

マンション 大規模修繕期間6

大規模修繕の準備から着工前後の流れは、以下の通りです。
<準備~着工まで>
1.大規模修繕委員会の設置
2.コンサルタントの選定と契約
3.建物の調査と診断
4.工事内容の決定
5.工事業者の選定
6.居住者への説明会の開催
<着工後>
1.工事開始後の定例会議の開催
2.工事の終了
それぞれ具体的に解説します。

大規模修繕委員会の設置

マンション 大規模修繕期間7

まずは大規模修繕委員会を設置します。
大規模修繕委員会とは、大規模修繕をするために結成する集団のことです。
大規模修繕委員会では、長期修繕計画の見直しや工事業者の選定、居住者への説明会などを行います。
なぜ理事会と別で専門委員会を設置するかというと、理事会は短期間でメンバーが入れ替わるためです。
長期間かかる大規模修繕に取り組むため、委員会メンバーは固定するのが望ましいでしょう。
大規模修繕委員会のメンバーは、幅広い年齢層や立場の人物をメンバーに含めるのが理想
です。
マンション管理士といった専門家や、区分所有者などが委員会メンバーとして有力となります。
また、理事会と連携を取りやすくするため、理事会メンバーを委員に含めるとよいでしょう。
大規模修繕委員会の設置は、着工予定の1年半ほど前に行いましょう。

コンサルタントの選定と契約

マンション 大規模修繕期間8

マンションの大規模修繕には、専門的なコンサルタントの助力が不可欠です。
大規模修繕には膨大な時間と計画的な修繕費の積み立て、建築物の調査や診断など、専門的かつ技術的な知識が必要です。
コンサルタントには建物診断や仕様書設計、工事監理などを委託できます。
コンサルタントを決めるには、まず公募や紹介により複数の候補を選びます。
最終的な選定基準としては、知識・スキル・提案力に焦点を当ててみてください。
知識とは、大規模修繕に必要な法律知識(建築基準法、区分所有法など)です。
スキルとは、工事仕様書の設計や修繕図面の作成、建物の調査・診断などマンションの大規模修繕に欠かせない技量です。
最後に提案力とは、管理組合の希望や修繕方針を理解した上で、客観的な意見を述べられるかとなります。

建物の調査と診断

マンション 大規模修繕期間9

建物の劣化状況を調査し、工事する時期や工事範囲などを具体的に診断します。
マンションの大規模修繕は、あらかじめ定めた長期修繕計画に沿って行われることを始めに解説しました。
しかし現在の建物の状態をきちんと把握して工事を行うためにも、工事前の調査・診断が欠かせません。
長期修繕計画はあくまでも計画ですので、実際の劣化状況を踏まえて計画通りの工事が妥当か判断しましょう。
建物の調査・診断は、長期修繕計画に定められた工事開始時期の2年前程度に行うのが理想です。

工事内容の決定

マンション 大規模修繕期間10

建物の調査・診断が終わったら、工事に採用する材料や工事の方法を決定します。
工事内容の決定段階では、設計図と工事仕様書を作成します。
設計図は詳しい施工方法や、使用する材料のメーカー・型番などを記載する書類です。
工事仕様書は、図面では表せない数値や説明などを文章で書き記した書類となります。
設計図と工事仕様書の作成に合わせて、工事に掛かる期間や詳しい工程、足場などの仮設計画も検討しましょう。
また、居住者への通知事項も考えなくてはいけません。
工事期間中は匂いや音が出るため、窓の開閉や洗濯物の外干しなど居住者の行動が制限される場合があります。
居住者への影響を考慮して通知事項を決めましょう。

工事業者の選定

マンション 大規模修繕期間11

工事内容の決定後、大規模修繕を依頼する工事業者を選定します。
工事開始予定の半年ほど前には、工事業者を決めましょう。
工事を実施する業者は慎重に選ぶ必要があるため、業者の種類や選び方などを分解して詳しく解説します。

マンションの大規模修繕を行う工事業者の種類

工事業者の種類は、主に「ゼネコン」「管理会社」「専門業者」の3種類です。
「ゼネコン」はいわゆる総合建設業者で、修繕工事に限らずオフィスビルやマンションの建設も請け負っています。
実際に工事をするのはゼネコンの下請け会社となりますが、組織として人材やスキルが豊富な点は魅力です。
現場で下請け会社を統率・監督する技量も大切になるでしょう。
「管理会社」とは、マンションを管理する会社を指します。
管理会社は日常的にマンションを管理しているため、マンションの劣化状況や修繕箇所などを把握しています。
そのため区分所有者や理事会にとっては、安心感のある工事業者といえるでしょう。
「専門業者」とは、建物の修繕工事を専門としている業者です。
大規模修繕の実績を充分積んでいる業者が多く、何より修繕専門なので信頼性が高いです。
ただし規模が小さすぎる会社は、施工時の管理能力に欠ける場合もあるため留意しましょう。

工事業者の選定方法

工事業者を選ぶにはまず3社ほどに絞り、検討を経て最終的に1社に選定するとよいでしょう。
候補となる工事業者を集めるには、以下のような募集方法があります。
・管理組合や理事による推薦
・ネットや掲示板での公募
公平性を重視するなら、公募から工事業者を選出するのがおすすめです。
最終的に工事業者を決定するには、主に3通りの選定方式があります。
それぞれの選定方式について、メリット・デメリットを含めて解説します。

見積合わせ方式

複数の業者に見積もりを依頼し、費用や技術的な提案などを比較検討するのが見積合わせ方式です。
必ずしも低価格の業者に依頼する必要性はないため、各社の特色を総合的に判断して業者を選べるのがメリットです。
一方、デメリットは手間と時間がかかる点となります。
業者へ見積もりを依頼したり、見積内容の比較検討には思いのほか時間がかかったります。
見積もりの依頼段階で工事範囲や工事内容など条件を明示すれば、一定条件下で比較しやすくなり手間を軽減できるでしょう。

入札方式

工事内容を公開し、複数の業者の入札から価格面・技術面を検討し業者を選定するのが入札方式です。
入札方式には、価格のみを重視する「最低価格落札方式」と、技術提案も重視する「総合評価落札方式」があります。
「最低価格落札方式」はコストダウンを期待できますが、技術や品質を疎かにする業者に決まるかもしれないのがデメリットです。
価格だけでなく品質を確保するためには「総合評価落札方式」がよいでしょう。
「総合評価落札方式」では業者に技術提案させ、価格以外の要素も踏まえて判断します。
入札による競争性があるため比較的コストダウンが見込め、品質面の利益も得られるメリットがあります。

特命随意契約方式

発注側が施工業者を1社のみ指定するのが、特命随意契約方式です。
指定した施工業者に見積もりを求め、提出された見積内容をもとに費用の交渉や工事内容の検討を重ねます。
特命随意契約方式では以前に修繕工事を依頼したことのある業者や、信頼関係がある施工会社に頼みます。
メリットは、すでに信頼関係が構築されているため安心感があることです。
さらに他の方式に比べ、発注側の作業量が少なくて済みます。
デメリットは、場合によっては価格が割高になることです。
すでに付き合いがあるからこそ、指定された業者は発注側の予算感を把握している可能性があります。
業者によっては、ギリギリまで見積もり金額を引き上げるケースが見られるため留意しましょう。

居住者への説明会の開催

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工事業者の選定が終了したら、マンション住民への説明会を開催します。
冒頭で説明した通り工事期間は数か月から長くて1年半程度かかるため、居住者の不安を払拭するために説明会は重要です。
住民説明会の主な内容は工期や工事内容の説明、そして居住者へのお願いとなります。
居住者説明会では、修繕方法や工事範囲の具体的な説明が欠かせません。
しかし、居住者がもっとも気になるのは日常生活への影響でしょう。
そのため、足場組みの必要性や1日の作業時間などもしっかり通知しましょう。

工事開始後の定例会議の開催

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工事の開始後は工事業者とコンサルタント、管理組合(修繕委員会)による定例会議を開催します。
定例会議では工事の進捗状況や、問題点の有無などを確認・共有します。
さらに居住者からの意見やクレームについても報告し、対策を話し合う場となります。
また、塗装色の選定や材料の微調整など、工事中に発生した検討事項も定例会議の重要な議題です。
円滑に工事を進めるためにも、定例会議は月2回程度行うのが望ましいでしょう。

工事の終了

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工事の終了後、修繕箇所を点検します。
工事計画書通りに施工されているか、コンサルタント立ち合いのもと確認してください。
なお、施工状況や工程の点検は、工事終了後に限らず普段から検査したほうがよいです。
特に工事期間中の重要な時期には、中間検査を怠らないようにしましょう。
点検後に問題がなければ、工事業者から竣工図書(しゅんこうとしょ)を受け取ります。
竣工図書とは、工事内容の概要・各種保証書・アフターケアに関する事項・竣工写真などをまとめた書類です。
竣工図書は速やかに受け取るのが理想のため、工事完了後1~2か月後くらいには受領しましょう。

マンションの大規模修繕で失敗しないための工事業者の選び方

マンション 大規模修繕期間15

マンションの大規模修繕で失敗を防ぐには、優良業者に依頼することが望ましいです。
とはいえ「どんな業者なら失敗しないのか」「優良業者の選び方が分からない」と思われることでしょう。
優良業者か判断するには、次の4つのポイントに注目してください。
・マンションの大規模修繕の実績
・経営状態の安定性
・工事後の保証の充実度
・担当者の態度や熱意
それぞれ詳しく解説します。

マンションの大規模修繕に慣れている

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工事を依頼する業者が、マンションの大規模修繕に慣れているかは重要なポイントです。
大規模修繕の施工実績が豊富な業者は、専門的なノウハウがあり技術力も高い傾向にあります。
特に注目したいのは、同規模マンションの大規模修繕を施工した実績の有無です。
一口に大規模修繕といっても、50戸未満の小規模マンションと、100戸以上の大規模マンションでは工事内容が異なります。
そのため、同規模マンションの大規模修繕実績の有無をチェックしましょう。

経営状態が安定している

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工事業者の経営状態も、見逃せない判断ポイントです。
マンションの大規模修繕は10年単位で行われるため、長期のお付き合いとなります。
さらに工事業者は数年ごとに建物の定期点検や、不具合が生じた場合の対応なども実施します。
経営状態が悪い業者の場合、途中で倒産してしまう恐れがあるでしょう。
また、経営状態の悪い業者は人材不足に陥りがちなので、品質低下を招く原因にもなりかねません。
依頼する前に、工事業者の財務状況はしっかり確認しましょう。

工事後の保証が充実している

マンション 大規模修繕期間18

工事後のアフター点検や、保証内容の充実度も優良業者の判断材料となります。
アフター点検は工事終了後、最長10年程度まで続きます。
例えば鉄部塗装の点検は工事後2年目まで、外壁塗装は3~5年目までに点検するのが一般的です。
さらに屋上防水は10年目までに点検するため、年数が経っても責任をもって点検する業者が求められます。
また、工事業者が瑕疵(かし)保険に加入しているか確認するのも大切です。
大規模修繕における瑕疵とは、設計や施工上のミス・欠陥を指します。
瑕疵保険は第三者組織による現場検査が実施され、瑕疵が発覚した場合に補償が受けられる保険です。
補修に必要な保険金が工事業者へ支払われるため、保険金で瑕疵のあった箇所を修繕できます。
もし工事業者が倒産した場合は、管理組合が保険金を直接請求することも可能です。
大規模修繕では工事業者に瑕疵保険の加入義務はありません。
しかし、管理組合にとっては安心して工事をお願いするのに、必要な要素となるでしょう。

担当者が丁寧に対応してくれる

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工事部門の担当者や現場監督者の対応が丁寧だと、優良業者の可能性が高くなるでしょう。
マンションに人が住んでいる状態で修繕工事を行うため、居住者に対して気配りができる工事業者が望ましいです。
担当者や現場監督者の対応が丁寧なら、会社全体の対応方針について推察できます。
また、丁寧な担当者だとコミュニケーションがしっかり取れるのも魅力です。
工事内容や疑問点などをスムーズに相談するためにも、担当者の対応は注目したいポイントです。

マンションの大規模修繕は期間に余裕を持って失敗を防ごう

マンション 大規模修繕期間20

マンションの大規模修繕は、準備から工事完了まで1年半~2年半程度の長い期間を要します。
特に着工前は、長期修繕計画の作成や工事業者の選定など、しておきたい準備が山積みです。
大規模修繕の失敗やミスを防ぐためにも、ギリギリの状態で準備を進めないことが大切になります。
多大な労力・時間・費用がかかることを心得て、マンションの大規模修繕は余裕を持って取り組みましょう。

また、大規模修繕工事がはじめての場合は「初めての大規模修繕!工事タイミングや費用、実施のガイドライン」もご覧ください。